生きてるのよっ!?
前回とは別のビオトープゾーンに
以前間違って切ってしまったきゅうりのつるを
ポイっと捨てたことがあります。
葉っぱを摘んでいたときに
間違ってしまったんです。
葉っぱを摘んだつもりだったのに
本体のつるを切りました。
本体のつるを切ってしまうと…
金のなる木を一本無駄にしてしまいますから
父に謝ります。
「一本切りました。ごめんなさい」
「切っちゃったかぁ〜…」
できれば切りたくないんですけど
やってしまうんです。
きゅうりのつると
葉っぱの茎が
似ているので…勢いでバチンッと。
毎回つるを切ってしまった後は、
大反省会です。
そんな失敗をした数日後。
ポイっと捨てたきゅうりのつるが
青々としています。
ん〜?
この時は流し見程度で
深くは考えずに仕事をしました。
違和感はあるけれど
気になるほどではない。
そんな感じでしたね。
そしてまた数日後。
以前の違和感を不意に思い出して
ポイしたきゅうりのつるに目を走らせます。
「あれ?」
今回は違和感が大きくて
素通りできませんでした。
ポイっと捨てていたきゅうりのつるが
1週間以上経っているのに
枯れていないんです。
水で跳ねた泥などで汚れていますが
青々としていますし
上へ伸びようとしています。
「え、生きてるの?」
娘は鋏と椅子を置いて
きゅうりのつるのところへ。
確かに切ってしまったきゅうりです。
ただの短いつるなのですが
よーく見ると
地面に接しているところに
白い根っこが生えています。
「根っこ!」
試しにそろっと引っ張ってみると
地面を離すまいと
根っこが踏ん張っています。
こんなことあるの?
切ってしまったのに
水と土があったら
再生できるの?
すごい!
このまま成長したら
またきゅうりできる?
るんるんしながらうずくまっていると
母が来ました。
「母見て!このきゅうり生きてる!」
娘の言っていることをすぐに理解した母は
「あ〜あるある」
と、あっさりしたものです。
意外とあることなのかと
観察を続けていると
「はい。きゅうりさ〜ん。お邪魔ですよ〜」
と、再生中のきゅうりのつるを鷲掴みにする母。
娘は母のセリフと行動で思いました。
やばい!
「わーーーーーーー!」
母の行動を止めたくて大きな声が出ましたね。
「なにぃ??」
驚いた母が止まりました。
止めなくては!
「抜いたらダメ!」
「なーんでー?
そんなところにあってもお邪魔でしょうー?」
「でも生きてるでしょ!」
「生きてるけどー…」
母の手が離れます。
セーフ。抜かれていません。
娘がめんどくさいモードになったと気付いたのでしょう。
そう。
こうなると娘は譲りません。
「置いといて!」
このきゅうりは生きている。
成長を見たいと思った娘は
きゅうりを母から守りました。
そのまた数日後。
どこまで成長しただろうか。
きゅうりは大きくなるのかな?
ワクワクして見にいきます。
ひょこりと覗いたビオトープに
きゅうりがありません。
あれ?
この列じゃなかったか?
隣のビオトープの列を覗きます。
あれ?
ここにもない…。
「……あ」
父を止めるのを忘れてた。
「父?あの、柱の間にあった生き返ったきゅうりは?」
「ん〜?抜いた」
「!!!!」
「邪魔ですからね〜」
……んもぅっ!
……まぁいいか。仕方ない。
そこまでムキにならなくても
よかったのですが、
何故か、
よく分からないことに全力を注いでいた娘でした。




