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21 みんなとヒロシ

 

 家に帰ると一人の空間にとてつもなく寂しくなった。


 今までずっと一人が普通だったのに、小さな小屋にいてさえ孤独に感じるとは・・・


「だめだ!」


 切り替えるようにパシっとヒロシは自分の顔をたたく。


 なんとなく、今までの自分とは違う心地がしたからだ。



 最終日はあっという間に時間がたって、窓からは夕日が差してきた。

 掃除も終わり小屋の中で何かすることもないので家は早めに出ることにした。


 ヒロシには特に特技などはないが、レイラやエラに教えてもらった森の貴重なキノコや薬草を採ってピコたちへのプレゼントしようと思ってた。


「毎日があっという間で……きつかったけど、楽しかったな…」


 一週間の出来事思い返しながら感謝を胸に森を歩いていると、いつのまにか籠からあふれるほどのお土産ができていた。


 数日前にお世話になったピコたちの家に着く。


 家の前にはピコがいて、ヒロシを見つけると駆け寄って抱き着いた。


 そしてアンナを呼び、アンナの夫のラウドもやってきた。


 籠いっぱいのお土産を三人はたいそう喜んでくれた。


「いらっしゃい、ヒロシさん」


「ひさしぶりだな、ヒロシ。なかなか男前になったな」


 レイラとエラによって前より男前にしてもらったヒロシは自分の見た目に自信が持てていたため、堂々と、振舞うことが出来た。


「なんか朝と違うね!」


 ピコは褒めているのか微妙なラインの賛辞を贈った。


「あ、ありがとう・・」


 三人に招かれて家の中に入ると

 テーブルいっぱいにごちそうが並んでいた。

 ぎゅるんとお腹がなる。


「ふふ」


「さあ、座ろう」


「ヒロシ兄ちゃんは僕のとなり!」


 幸せだった。


 泣き虫ヒロシはまたも泣きそうになった。


 アンナが喋る。


「ヒロシくん、これからも頑張るのよ。見守ってるわね」


 ピコも。


「でもたまにサぼってもいいんだよ、僕と遊ぼうね」


 そして家長のラウドの番がくる。


 皆にグラスを持つように伝える。


「ヒロシ、お前は意気地なしじゃない。だからこれからも何度だって立ち向かえるよ」


 今朝みた夢への答えのようだった。


「よし、乾杯だ」


 ラウドが高らかに宣言する。


「善き人生を」


「「「善き人生を」」」


 みんなでグラスを高く掲げる。その時、ヒロシはどこかで聞いたことある言葉だと思った。


「え…」


 黒の魔導書についていた羊皮紙の言葉だと気づいた時、ヒロシの視界は急にすべて溶け落ちた。


 そして目の前が真っ黒になり闇があらわれると、そこに、ギルがいた。




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