◎ 今回から「 20歳未満の読者さんは、ごめんなさい 」「 女性の読者さんは、ごめんなさい 」の内容になるので、読むのは御遠慮ください。
化物が吟遊詩人の作り出した “ なりそこない ” だと知らないエミルリアンの感じる恐怖は、体験者にしか理解の出来ないものだろう。
魔法陣に守られているエミルリアンには、フロア中に充満にしている何とも言い難い異臭の破壊的威力は分からない。
嗅覚がイカれてしまう程の酷い臭いが充満しているのだろう事は、色付いた空気で何と無く察する事ならエミルリアンにも出来た。
あまりにも酷い地獄絵図を思わせる様な光景に耐えられないエミルリアンは、立っている事が出来ずに座り込んでいた。
両脚の間の股からは生暖かい液体が流れ出ている。
あまりの恐ろしさにエミルリアンは失禁きんらしをしてしまったのだ。
魔ま法ほうマジック陣じんサークルの中なかに尿にょうの臭においが立たち込こめる。
胃いの中なかに入はいっているものが口くちから出でて来こない様ようにと両りょう手てを口くちに当あててはいるが、込こみ上あげて来くるものを抑おさえる事ことは出で来きず、未まだ消しょう化かのされていない胃いの中なかに残のこっている全すべてを吐はき出だしてしまった。
尿にょうとゲロが混まざった臭においを嗅かぎながら、エミルリアンは魔ま法ほうマジック陣じんサークルの中なかで、終おわらない共とも喰ぐいを見みなければならなかった。
“ なりそこない ” の唸うなる鳴なき声ごえや相あい手てを威い嚇かくする鳴なき声ごえ,抵てい抗こうして抗あらがう鳴なき声ごえ,同どう胞ほうに襲おそい掛かかる鳴なき声ごえ,悲ひ鳴めいの様ような鳴なき声ごえ,咀そ嚼しゃく音おんや骨ほねが砕くだける音おと…等などが聞きこえる事ことがエミルリアンには辛つらかった。
一い体たい何どれ程ほどの時じ間かんが経たっただろうか。
共とも喰ぐいをしていた化ばけ物ものゴースター── “ なりそこない ” は、最さい後ごの1体たいだけになっており、全ぜん身しんを奮ふるわせて雄おた叫けびを上あげている。
生いき残のこれた事ことが嬉うれしいのだろうか?
いや、きっと嬉うれしいのだろう。
歓かん喜きの雄おた叫けびを上あげて喜よろこんでいるのだろう。
エミルリアンは漸ようやく悪あく夢むは終おわったと思おもった。
共とも喰ぐいが行おこなわれている間あいだ、自じ分ぶんが何なん回かい失しっお漏も禁きんらしをして、何なん回かいゲロったリバースしたのかすらエミルリアンは覚おぼえていない。
エミルリアンの衣い服ふくは汚よごれていて鼻はなを突つく様ような異い臭しゅうを放はなっていた。
暫しばらくするとフロア内ないの空くう気きが澄すんで来くる。
生いき残のこった “ なりそこない ” は気き持もち悪わるい大おおきな体からだを揺ゆらしながら、大おおきな口くちから長ながい舌したを出たして揺ゆらしながら、魔ま法ほうマジック陣じんサークルの回まわりをグルグルと歩あるき回まわっている。
舌した舐なめずりしながら魔ま法ほうマジック陣じんサークルの中なかに居いるエミルリアンを見み詰つめながら、まるで品しな定さだめでもしているかの様ようだ。
エミルリアンの脳のう裏りには「 若もしも、此この魔ま法ほうマジック陣じんサークルが消きえてしまったら── 」という最さい悪あくの考かんがえが過よぎる。
確かく実じつに襲おそわれるだろう。
頭ず蓋がい骨こつを砕くだかれ脳のう味み噌そを味あじわう様ように喰たべられ、臓ぞう器きを引ひきき摺ずり出だされ、骨ほねも残のこらず喰たべられてしまうかも知しれない。
恐きょう怖ふに囚とらわれたエミルリアンは両りょう目めから大たい量りょうの涙なみだが溢あふれ出だし、股またからは茶ちゃ色いろい液えき体たいが垂たれる。
あまりの恐おそろしさに脱だっ糞ぷんをしてしまったのだ。
魔ま法ほうマジック陣じんサークルの中なかで、ゲロと糞ふん尿にょうの臭においが混まざり合あう。
鼻はなを押おさえるのも忘わすれてエミルリアンは全ぜん身しんを恐きょう怖ふで震ふるわせていた。
“ なりそこない ” が魔ま法ほうマジック陣じんサークルを壊こわこわそうとバシバシと激はげしく叩たたいていると壁かべが消きえた。
入いり口ぐちから大おお勢ぜいの丸まる裸はだかにされた女じょ性せい達たちがフロア内ないへ入はいって来きた。
スッポンポンの女じょ性せい達たちがフロアへ大たい量りょう投とう入にゅうされると入いり口ぐちは消きえ、壁かべが戻もどった。
女じょ性せい達たちの中なかにはエミルリアンの仲なか間まも入はいっていた。
魔ま法ほうマジック陣じんサークルの中なかに居いるエミルリアンを見み付つけた仲なか間ま達たちが魔ま法ほうマジック陣じんサークルに駆かけ寄よろうとした矢や先さき、 “ なりそこない ” が俊しゅん敏びんに動うごいた。