──*──*──*── 創造主の館
──*──*──*── フロア
──*──*──*── エミルリアンside
ゼリンネル王子の殺害を計画した首謀者の指示を受け、仲間達と結託して毒殺を企立て、実行に移させた侍女のエミルリアン・ルーストンは、広いフロアに居た。
無人のフロアに1つの魔法陣が光っており、其の中に入れられていた。
見方を変えれば魔法陣の中に閉じ込められている様に見えるのだが、実はそうではなく、魔法陣はエミルリアンを守る為に存在してい。
エミルリアンが其を知る事はないだろう。
暫くすると、1部の壁が消えた。
壁が消えた入り口から大勢の男達がフロアの中へ入って来た。
其の中にはエミルリアンが知っている仲間の姿もあった。
フロアに入って来た男達は何故だか丸裸で何も身に付けていない状態だった。
スッポンポンの男達の中に紛れていたエミルリアンの仲間達は、魔法陣の中に閉じ込められている──もとい、保護されているエミルリアンに気付く。
自分に気が付き、話し掛けてくれている仲間の言葉は聞こえるものの、魔法陣の中に居るエミルリアンの声はフロア内にいる仲間達には聞こえない様だ。
エミルリアンは何故、仲間達が丸裸なのか分からない。
自分はゼリンネル王子と共に領主邸で滞在している吟遊詩人様と花園に居た筈だった。
然し、気が付いたら自分は何故か魔法陣の中に居て、吟遊詩人様の姿は無かった。
自分は此からどうなるのだろう……。
一体どんな目に遭わされるのだろう……。
暫くすると何処からか紫色の煙らしきものが噴き出すと、忽ちフロア中に紫色の煙らしきものが立ち込めた。
視界は紫色の煙らしきものに依って完全に奪われてしまった。
其の内に紫色の煙らしきものが薄らいで消えて行くと、フロア内に居た男達全員が倒れていた。
眠っているのか、誰1人としてピクリとも動かない。
其の内、時間差はあるものの倒れている男達の身体は、ビクンビクンと痙攣を始めた。
水から打ち上げられてビチビチと懸命に跳ねる魚と似ているかも知れない。
痙攣は激しさを増し、口からは白──ではなく小汚ない汚物色の泡が吹き出し始め、両目は完全に白目を剥いてしまっている。
フロア内に倒れている全員が極めて危険な状態である事は、毒物に知識があり、扱いなれてあるエミルリアンにも理解が出来た。
健康的な肌の色がみるみる内に汚物色へと変色していく。
身体にも変化が表れて来ており、何故だかむくむくと浮腫み始め出した。
身体が浮腫んだからと思えば、身体がみるみる内に化物へ変貌していった。
エミルリアンは魔法陣の中で、フロア内に居る仲間を含めた多くの男達が化物へ変貌していく様をただただ、見ている事しか出来ないでいた。
彼等が変貌してしまった姿は、実験の失敗に依って容姿が突然変異してしまった謂わば “ なりそこない ” と呼ばれる失敗の産物である。
“ なりそこない ” には理性も知能も無く、目の前にいる “ なりそこない ” 同士で共喰いを始める。
最後の1体になる迄、おぞましい共喰いは終わらない。
エミルリアンはたった1人で “ なりそこない ” が最後の1体になる迄、何時終わるとも知れない共喰いを見続けなければいけなかった。