♥ 領主邸 26 / 廊下 1 / 夜間の散歩
──*──*──*── 廊下
部屋から廊下に出たセロとオレは夜間の散歩に出る。
とは言ってもオレはセロの行き先を知らない。
オレはセロの左横に並んで歩くだけだ。
マオ
「 セロ、何処に行くんだ? 」
セロフィート
「 目的地はないです。
其の時の気分でブラブラ歩きます 」
マオ
「 勝手に屋敷の中を歩き回って大丈夫なのか?
幾ら王子の付き添いだからって、夜間に歩き回ってると怒られるんじゃないか? 」
セロフィート
「 ワタシは誰かさんみたいに見付かる様なヘマはしません 」
マオ
「 だっ誰の事を言ってるんだよ? 」
セロフィート
「 おや?
自覚はないですか 」
マオ
「 オレの事かよ!! 」
セロフィート
「 ふふふ…。
安心なさい。
誰にも見えない様に魔法陣を発動させてます。
防音魔法も掛けてます。
マオとワタシの会話を誰かに聞かれる事もないです 」
マオ
「 そうなんだ…。
…………何でかな。
屋敷に忍び込んで、いけない事をしようとしてる泥棒みたいな気持ちになるんだけど……。
犯罪なんて起こさないよな?? 」
セロフィート
「 いやですね。
君はワタシを何だと思ってます?
態々マオの為に配慮したワタシに対して酷くないです? 」
マオ
「 えっ??
オレの為なの?? 」
セロフィート
「 ワタシは何時もマオの事を1番に考えてます 」
マオ
「 セぇロぉ〜〜(////)」
本当かどうかは置いといて、セロの言葉が嬉しい!(////)
オレは嬉しくて、セロの左腕に自分の腕を絡めた。
誰にも見られないなら、セロの腕に抱き付いて歩いたって何の問題もない筈だ!
セロフィート
「( 本当にチョロ子ちゃんだね、君は──。
折角の散歩だし、どうせなら楽しい散歩をしたいよね? )」
オレが腕を絡めて抱き付いてもセロは全然嫌がってないみたいだ。
寧ろ御機嫌っぽい??
セロフィート
「 ──マオ、見てください。
明かりが漏れてます。
誰かが居るみたいです 」
マオ
「 そりゃ居るだろ?
執事や侍女とかじゃないのか? 」
セロフィート
「 明かりの先に何があるのか気になりません? 」
マオ
「 ま、まぁ…少しは気になる……かな? 」
セロフィート
「 少しだけ覗いてみません? 」
マオ
「 えっ??
覗くのか?
で、でもさ…プライバシーとかあるし? 」
セロフィート
「 マオとワタシの姿は誰にも見えません。
覗いても誰からも責められません。
此も散歩の楽しみです 」
マオ
「 嫌な散歩だな…… 」
セロフィート
「 マオが覗かなくてもワタシは覗きます。
何が詩歌の参考になるか分かりませんし 」
マオ
「 オレも見るよ!
──だけど、此は覗きじゃなくてだな、屋敷内のパトロールの一貫だからな! 」
セロフィート
「 はいはい。
何事にも其なりの “ 建前 ” は必要ですね 」
マオ
「 た…建前じゃないからな!! 」
姿が見えない事を悪用して覗き見する事になるなんて思いもしなかった。
其はさておきだ、オレはセロと一緒に明かりの先を隙間から覗いて見た。
ガチャガチャ…カチャカチャ…ゴトゴト…コトコト──って物音が微かに聞こえる。
何の音だろう??
何をしてるんだろう??
此処からじゃ音しか聞こえないよ。
中に入れば誰が何をしているのか分かるかも!
姿が見えないんだから、中へ入ってガッツリ見ても何の問題もない筈だ。
オレは慎重に静かにドアを開けると、抜き足,差し足,忍び足をしながら部屋の中へ入ってみた。




