♥ 領主邸 12 / 中庭 2 / セフィデリーチ大陸 2
マオ
「 〈 皇 〉に解放してもらえた事で、本来の力を最大限に発揮の出来る獣化が出来る様になったんだ。
獣化した亜人種に人間は敵わなかった。
亜人種達は〈 皇 〉の加護化にあったから人間が発動させる元素魔法も効果がない…。
だから、人間は亜人種達に負けたんだ。
各国の国王達は亜人種達に捕らえられて、褌一丁の姿で〈 皇 〉の前に並ばされて膝ま付かされた 」
ゼリンネル
「 …………えぇと…何で褌一丁なんだい? 」
マオ
「 丸腰で返還を求めた〈 皇 〉を何度も殺した罰だって聞いたけど? 」
ゼリンネル
「 何度も〈 皇 〉を殺したから褌…… 」
マオ
「 茶目っ気あるよな〜〜。
結局、国王達は〈 皇 〉の代わりに統治していた領土を泣く泣く手放して、〈 皇 〉に返還したんだってさ。
まぁ、大事な身内を目の前で人質に取られたら返還するしかないよな?
返還さえすれば身内も助けてもらえるし、命の保証もされる訳だから。
“ 国王達を殺して奪われていた領土を奪還する ” って言う手っ取り早い方法もあったけど、〈 皇 〉は国王達から領土を奪還するよりも『 領土を返還します 』って言葉を聞きたかったんだろうな 」
ゼリンネル
「 人間が食用の家畜となった大陸……。
…………だけど、〈 皇 〉が居る大陸は別の〈 皇 〉が統治する大陸と交流が出来るよね? 」
マオ
「 うん、幾つかの大陸との往来はあったよ。
港が盛んだったのを見たからな 」
ゼリンネル
「 ≪ セフィデリーチ大陸 ≫に来た人間達は驚かなかったのかい?
自分達と同じ人間が家畜とされている訳だし… 」
マオ
「 ……まぁ、当然そう思うよな。
大陸に入ると自然にフィルターが掛かるみたいで、問題はないみたいだよ。
其に人肉は店に出回っていないんだ。
亜人類も人間と同様に豚肉,牛肉,鶏肉,馬肉,羊肉,野菜,果物を食べるから普通に売られてるよ。
人間は施設の中で、丁寧に解体されて人肉になるらしいよ。
部位毎に仕分けられて亜人類に提供されるみたいだよ。
希望が有れば加工もするみたいだし 」
ゼリンネル
「 …………もう…いいよ 」
マオ
「 そうか?
……まぁ、ゼルには気分の良い話じゃないもんな… 」
ゼリンネル
「 …………僕はそんな世界…御免だよ… 」
マオ
「 まぁ、そうだよな…。
だけど、〈 皇 〉の代わりに統治してる領土を素直に〈 皇 〉へ返還しないと、≪ セフィデリーチ大陸 ≫みたいになるかもな。
〈 皇 〉は人類を絶滅させる力は無くても、〈 星の核 〉の守護を受けてるから何度殺されてもバラバラにされても死ぬ事はないんだ。
〈 皇 〉には逆らわない方が良いって事だよ 」
ゼリンネル
「 …………〈 皇 〉…か。
どんな容姿をしてるんだろうな… 」
マオ
「 そ、そうだな…… 」
オレと同じ顔してる──なんて言えないよなぁ。
オレが≪ エルゼシア大陸 ≫の〈 皇 〉だって事、知られたくないし……。
オレと同じ背丈と容姿をしてて…顔も声も全部同じで……。
違うのは髪の長さぐらいの小柄な少年──に見える大陸と同じ名前の〈 皇 〉セフィデリーチ…。
…………あんなのが大陸の数だけ存在するんだ。
オレも其の1人……なんだよな…。
オレだけが他の〈 皇 〉とは違う出張帰りをして…、セロと出会って…此処に居る…。
ゼリンネル
「 ──マオ、農具庫が見えて来たよ 」
マオ
「 よし、必要な道具を出して持って行こう 」
ゼリンネル
「 素手で持って行かないよね? 」
マオ
「 一輪車があるから乗せて行こう 」




