──*──*──*── 農具庫
農具庫に到着したゼルとオレは、農具庫の中で見付けた一輪車に必要な道具を乗せる事にした。
一輪車を農具庫から出す為に、オレはゼルに指示を出す。
剣術の稽古っていうか修業なんだから、ゼルにさせないと意味がない。
オレは相手が王子だからって、手を抜いたり遠慮をしない主義なんだ。
悲しいかな、オレ自身が皇子だもんな……。
セロからは、オレが直々にゼルへ王族の作法を教える様にとも言われている。
相手に教える事で、自身も正しく理解が出来ているのかを知れるんだとか。
反復学習ってやつだな。
同じ王族ではあるけど、作法が完璧に同じとは言えないから、オレがゼルに教えるのは基礎的な作法だけだ。
基礎を覚えたゼルに本格的な作法を叩き込──もとい、教えるのはセロだ。
オレにはスパルタなくせに、ゼルには親切で丁寧且つ褒めながら優しく教えるんだから、面白くない!
オレにも優しく褒めながら教えてほしかった!!
差別──いや、依怙贔屓差が半端ないよ!!
ま、まぁ…済んでしまってる事だし、今更なんだけど……。
ゼルに指示を出して、必要そうな道具を出させては一輪車の上に乗せていく。
農具庫の中から道具を出してるだけど、ゼルはかなりしんどそうだ。
体力も筋力も全然足りないな。
普段使う筋肉は勿論、あまり使わない筋肉を鍛える筋力トレーニングを追加しとこう。
マオ
「 ──ゼル、道具を花園へ運ぼう 」
ゼリンネル
「 そうだね。
…………重そうだ…ね 」
マオ
「 重いに決まってるだろ。
花園迄頑張れ! 」
ゼリンネル
「 僕が運ぶの? 」
マオ
「 当たり前だろ。
此も修業だよ 」
ゼリンネル
「 修業…かぁ…… 」
オレはゼルの背中をポンポンと軽く叩いて励ました。
農具庫の扉を閉めたオレは、ゲンナリしているゼルと一緒に花園へ向かって歩き出した。
未々此から花園での作業が待っている。
夕食の時間迄には終わるだろうけど、ゼルにとっては長い昼間になりそうだな。
夕食になれば、別行動してるセロと会えるんだし、其を励みにして頑張るぞっ!!