15 正義の味方
日本各地で
学校でのいじめ加害者
職場でのセクハラ加害者
痴漢冤罪を作り上げた警察官
結婚式のご祝儀を盗んだ犯罪者
とありとあらゆる悪人が火だるまになるという事件が勃発した
それもこれもすべて一つの動画が発端だった
お手軽な材料
1秒に満たない犯行時間の短さ
夜の帰宅時という人通りのない時間帯の推奨
もはや完全犯罪マニュアルと言っても過言ではなかった
あと
不審な人間を見ても通報しないのが正義という雰囲気
ができていた
元から人間関係が希薄になっていた現代である
動画がそれを後押ししたと言ってよいだろう
かくしてそれらの原因により捜査は難航した
あまりの検挙率の低さ ~検挙できたのが0人~ であることからまさに完全犯罪と言っても過言ではなかった
いじめをする人間が悪い
某動画サイトの影響は多きかった
批判するのは口先だけの偽善者だ
だから燃やしてもよい
そんあ理屈で火だるまになった事件が1件あった
そしてその事件の直後にSNS上で
いじめを見て見ぬふりしたくせに、被害者をネット上で叩いたクソ野郎
そんな書き込みがあった
ただそれだけだがネット上ではそれが水戸黄門の印籠のような働きをした
つまりは
免罪符
である
こいつなら叩いてもよい
みんなが叩いているんだから自分もやってよい
そうやって正当化されていった
まあ
『いじめを見て見ぬふりした人間に生きている意味があるのか』
と言われてしまえば無罪だとは言いにくかったので当然といえば当然であった
なおネット上で問題になったのが、それぞれの犯人の呼称である
第三のキラ
がいるのなら
第四のキラ
なのではないかという議論があった
その際、犯行が行われた時間軸にそうって第四、第五と続けるのかだとか
だれが番号を決めるのだとかという細かいことで紛糾した
・・・ネット上では暇な人間が多すぎるのである
そんな喧々諤々の議論と、お互いに罵り合いを止めたのだ本家本元の動画サイトである
「番号でもめるのは不毛です
みんな『正義の味方』でいいのでは?」
『正義の味方』
という呼称によって今までの人体放火事件はネットの上では正当化された
そして正当化されるなら自分もやってみようと『正義の味方』をする人間が増えた
かくして日本全土に『正義の味方』旋風が巻き起こり警察官が忙殺される事態となった
ようやくタイトル回収です
なんか話のタイトルだけみると最終回のように見えますがまだまだ続きます
多分ですけどね




