第4話
遅くなりました。4話目です。
現人神…??
「おっそろしい肩書きがあるんだけど…。何これ」
まぁ、それは置いておいて、次だ次。目の前に現れたステータスはぼんやりと光ったタッチパネルみたいなものだ。
それをスクロールして自分の状態を見て見る。
*100単位以下は計測不可の為表示されません。
HP 3億2千万(元23万)
MP 現人神となりましたので、世界管理者となり地に存在する魔力を使い放題になりました。おめでとうございます。(元20万)
……おめでとうございますって、本当なにが嬉しいのかな、これ。チートすぎて冒険とか楽しむことないじゃん。
…それにどっかで見たんだけど。この元の数字。
非常に悪い予感しかしない。
「…ネイヴァ、私どうすればいいの?」
『好きなように!!でも、ボクたちが呼ぶときは来て欲しいな。今はもうキミしか世界樹の魔力を安定させることができないんだ。』
「どういうことかよくわからないけど、私はこの世界で好きなように冒険していいんだね?というかそうしろってことよね?」
『うん!!そう!楽しんできて!!』
なんと無邪気な子達だろう。光の存在なのに、笑っているのが目に浮かぶ。
『行ってらしゃいっ!!ご主人様っ!!』
!!?なんじゃー今の呼び方はぁぁぁ!!!
訂正する間も、叫ぶ暇もなく私は飛ばされた。
問い どこに?
答え どっかの宿屋。
目が覚めたら、古ぼけた木目の天井に、カーテンの隙間から覗く光が目にしみる。ぷらぷらと揺れるランタンには火が宿せるようになっていた。
ゆっくり起き上がって体が男のままなのを確認する。それにしてもやけに体が軽い。男の人ってこんな感じなのかな…。
部屋は、6畳ぐらいの一間で、その端にベッドが置いてあり、その横には小さなテーブルと簡素な椅子が反対の壁側に置いてある。出口の扉の隣にお手洗いがあるようだ。
そのお手洗いに入って用を足し(いろいろ頑張った)、鏡を見て絶句した。
そこには、夏美に見せてもらった雑誌に載っていたそのまんまの顔があった。
いや、修正。実際に見ると恐ろしいぐらいに整った無表情だった。笑ってるつもりでも一切表情が出てない。見せてもらったのはもっと表情があったように思う。
「ナニコレ、こわっ」
こんな顔で、女言葉を使うのはどこか犯罪の匂いがする。人前じゃあ控えよう。…絶対やめておこう。
ただ喋るために唇だけが動くだけの顔は、彫刻と言われてもおかしくない。
自分でも生きてるのか不思議な顔だ。
ここって元はゲームの世界だ。顔が整い過ぎていてもおかしくはないがこうも無表情なのはちょっと生きて行く上で辛そうだ。
さて、今日は何をしようか。
まずはこの世界の情報収集が先だ。
こんな事になるなら夏美の話をもっとよく聞いておくのだった。確かあの雑誌の説明だとこの世界は、五つの国があってそれぞれは季節の違う国だったはず。一つだけ無の国があるけどそれは、魔族が住む国だった。この世界は、獣人なども魔族の一種として見なされる。
「わた…俺は、種族人間でいいんだよな…?」
現人神なんて名乗りたくない。皇帝は種族じゃなくて肩書きだ。…人、でいいよね?
無理やり人間で行くことに決定し、宿屋を出ることにした。