130話
氷塊を撃てることが嬉しくて無我夢中で撃ち続けた結果、魔力が無くなり酷い倦怠感に襲われ地面に突っ伏しているとクロエが近づいてきて頬を蹴られた。
「痛いじゃないですか」
「・・・あんた、魔法使えるの?」
「初めて出来ましたけど?それが?」
「そう、怠そうだし休んでな」
困惑しながらぶつぶつと呟いているクロエは何故か優しいのが逆に怖いし嫌な予感がする。
――と思っていた。しかし何も起こらなかった。
下半身が埋まっているせいでまともに動けないので魔力が回復するたびに氷塊を作り形を変えて訓練という名の遊びをしていた。
「イメージ通りに形を変えることができるようになってきたな――ん、貫通力を上げるためには、ドリルのようにして高速回転させて――放つ」
氷塊のドリルを木に向かって放つ。
木々を貫通しながら一直線に飛んでいった。あまりの高威力に開いた口が塞がらない。
宝具とまではいかないがかなりの威力だった。自分の中にこれ程の力が眠っているとは思わなかった。
「何個同時生成できるんだ」
十数個の氷塊のドリルを空中に生成する。この魔法を名付けるなら【アイスニードル】……安直すぎるか、いやこれ以外に何も浮かばない。
「まあいいっか、【アイスニードル】――発射!」
目の前の木々を全て貫通させることができた。よし、魔法の完成かな。これをどう戦闘に組み込むか。接近戦メインでフェイントの時に使うのもありだな。
「ルクス、準備はいいか?特訓の再開するぞ」
魔法の訓練をしているとクロエがピョンピョンと跳ねながらそう言ってやってきた。
「まだ埋まっていたのかい」
「はい、出してください」
「しゃーないね」
クロエはそう言って俺を蹴り飛ばし地面から出してくれた。




