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サンガリオン  作者: 白野シャチ
三章 奈落の迷宮

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116/131

116話

 死神に飛び掛かる形で斬りかかる。

 描いた軌跡は僅かに月の光が籠っていた。防御していた死神の大鎌を紙のように斬り裂く。

 動揺することなく死神の赤い瞳は輝き謎の力で俺を吹き飛ばそうとする。

 しかし、何も起きなかった。

 互いに驚きを隠せなかったが死神は咄嗟に月影を持つ右腕を掴む。振り払おうと死神に頭突きをして引き剥がし着地と同時に前にステップを踏んで死神に突きを放つ。

 よろめく死神の赤い瞳は俺の突きをみきり身体に触れる手前で鷲掴む。月影に触れている右手の指と指の間から黒い煙が立ち登る。


「ダメージが入ってる」


 ――好機。

 死神を貫くために力強く押しつま先が地面を抉りながら剣先が死神を貫通した。

 気付けば死神の顔が目前まで詰め寄っていた。

 死神の身体は崩壊し始める。崩壊した身体は星屑となり天に昇っていくなか、死神が微笑み消滅した。


「ふぅー。勝った?」


 気力も魔力もなくなりその場に座り込み天井を向くと見知った顔が入り込む。


「自称神様ですか?」

「おい失礼だな。まぁ、いいや。」


 自称神は俺から離れ俺の前に立ち俺を指差す。


「よくぞ。死神を打ち負かした! ルクスよ! 貴様を【神殺し】の称号とこのサンガリオンの神殿に挑む権利を進呈よう」


 自称神は天を仰ぎ両手を広げていた。

 何やってんだ。こいつは。てか何偉そうにしてるんだ。何が神殺しだ。


「おいおいルクスよ。喜べよ!」

「疲れすぎてツッコミ入れる余裕もねぇよ」

「ふむ。なるほど、月影を無理やり半覚醒させたのか。いや、月影がお主の魔力を喰ったのか。ならば魔力が回復するまで休むといい。ボスのいないこの部屋は安全だ」


 自称神の言うことは正しいがこいつが危険な存在ではない確信がないのに休めるわけがないがもう意識が・・・

 バタン。

 力尽き身体は自然と横になる。そこで俺の意思が途切れた。

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