106話
探索しても宝箱が見つからない。
宝具神殿の楽しみ宝箱がないのか。そんなはずがない。必死に探すも見つからない。スライムしか見つからない。
スライムは、数十体倒したおかげか。月影に慣れてきた。今では、インパクトのみ冷気を纏うことができるようになったため、魔力が温存できている。
しかし、気力の方が先に尽きそうになっている。
宝箱がない。使えないとはいえ、宝具が一つも見つからないのは、精神的にくる。
「なんでないんだよ。――運が悪いだけかな。」
愚痴を言いながら探索をしていると次のボス部屋に辿り着いた。
巨大な鉄製の扉。躊躇いもなく触れた瞬間。チクっと手のひらに痛みが走るが気にも止めてずゆっくりと押し開ける。
パッと光が灯り部屋が明るくなる。
部屋の中央には、灰色のスライムがプルプルと揺れている。
部屋に足を踏む入れた瞬間。スライムは、煙を吹き出しスライムの姿が見えなくなった。
「さて。どんなボスかな。」
強敵だと期待する。
煙が晴れ姿を現したのは、俺にそっくりな人形のスライムだった。
月影に似た武器に俺の着ている学生服。佇まいまで瓜二つ。まるで鏡に映った自分自身を見ているかのようだった。
スライムは首を傾げて俺を凝視し刀についた血を振り払うかのように素振りをして首を傾げる。
「なんだ。あいつ。」
スライムは、頭上に刀を振り上げ力強く振り下ろすと鋭い斬撃がスライムの正面にいる俺目掛け飛んでくる。慌てて避ける。
斬撃は、扉に当たる。当たった周囲を凍られた。
「え?」
思わず二度見してまった。何かが違ったのかスライムは、首を傾げ素振りを始めた。
「あいつ。闘う気あるの?」
見れば見るほど己を見ているような感覚に陥る。
油断してはいけない。相手はモンスターだ。
スライムは、僅かに漏れ出した俺の殺気に反応し俺を凝視する。
瞬きをした瞬間。スライムの姿が消えていた。
右下から僅かな殺気。
自然と一歩下がりながらスライムの刀を弾く。
「危な!」
スライムは、ニヤリと笑い冷気を全身に纏う。本能が訴えてくる。あれには、勝てないと。
あいつは、俺の上位互換。月影を完全に使いこなした姿。
「落ち着け。相手を観察しろ。あれは俺の姿に化けたスライムだ。勝てるはずだろ。」
目の前のスライムに集中して正面に構えスライムの攻撃に備える。




