105話
階段を降ると相変わらず真っ白な通路に出た。
変わらない風景に嫌気がさす。だがこればっかりは、どうしようもない。
普段なら喜んで攻略するが使いたい武器が使えないのは、苦痛でしかない。
見た目はツクヨミそっくりだが性能が違いすぎる。
ツクヨミなら自身の半径10メートルの間合いに入り込んだモノを感知して自動追尾の斬撃を飛ばす事が出来る宝具剣技が使える。
しかし、月影には、宝具剣技すらない。自身の持つ剣技を使える。なので剣術を磨くしかない。
本当、変わり映えしないな。――ゲームだった時は、大体の宝具神殿を巡っていたけど前世の知識にここの神殿の記憶ないんだよな。
もしかしなくても隠し神殿だよな。トリガーは、精霊王と精霊王が言っていたあの人だよな。
あの人か。アクアの反応を見る限りたぶんネコだよな。違う可能性もあるけど。
ポヨンポヨンと何かが跳ねる音が聞こえてくる。
「この音ってスライム? え? 物理が効きにくいモンスターじゃんか」
スライム。
ゼリー状の身体を持つモンスター。
ゼリー状の身体は、刃物が通りづらく衝撃を吸収する。それ故に倒し方は、魔法攻撃が定石となっているが俺は、魔法が使えない。正確に言えば、強化魔法は使えるがモニカ様のような魔法攻撃は、出来ないしロイドのように魔力障壁を張ることが出来ない。
だが宝具なら倒し方は色々がある。だけど今の俺には、それが無いのだ。
「やば」
ポヨンポヨンという音が徐々に近づいてくる。
水色の半透明なゼリーが跳ねてこっちに来ている。逃げ場所はない。上に逃げてもこいつは追ってくる確信がある。
「やるしかないよな」
アクアの魔法を斬ったことを思い出して月影を抜いて魔力を流すと刀身から僅かに冷気が纏う。
闘う覚悟を決めスライムに走り出し頭上まで振り上げ間合いに入った瞬間にスライムを狙って振り下ろす。
スライムは、ニュルっと回避するがスライムの一部に当たる。当たった部位は、凍っていた。
「へー。月影で斬れるな。でも魔力の消費がエグいな。インパクトの時に魔力、流して見ますか。」
スライムから目を逸らしてしまった。
スライムは、俺の顔目掛け跳躍していた。
「やばい!」
月影に魔力を流しスライムを突く。スライムを貫きゆっくりとスライムは凍っていき月影にへばりついた。
取り除くために全力で振り下ろす。
スルッと抜け地面に叩きつけられた凍ったスライムは、砕け散った。
「呆気な。これで終わりかよ。もっと苦戦するのかと思ったのに月影、思った以上に使える?」
俺は、月影を鞘に納め通路に進む。




