フルータの場合 17
「やあ、おかえりー。フルータはセルダとどんな話をしたの?」
「君のことを彼からも聞きたくてね」
そうフルータが言うと、レイティはドキリとした顔をしていた。
「どんな話を聞いたの?」
ジトリ……とした目で、フルータの事を見る。
「君はどうも疑り深いね。そういう所はボクは好きじゃないよ」
そうフルータが言うと、レイティは体をビクリとさせた。
「さっきは、君が随分ボクに絡んできたじゃないか。それで、びっくりしてセルダに相談をしたんだ」
フルータが言うと、おずおずした感じのレイティが言う。
「どう聞いたの? 私の事を、なんて言ってた?」
レイティの様子を見てみると、怯えた子犬か何かのようだ。フルータは、レイティに向けて、優しく言う。
「なあに、昔から甘えん坊で、人によくくっついてくる子なんだって話を聞いてさ……」
「へぇ……そうなんだ、悪いこととかは言ってなかったんだ……」
フルータは、そう嘘を言った。
まあ、人にまとわりつく事自体は、そういっておけば可愛いもの位に、見えるものだ。
「だが、これだけは言っておくぞ。仕事中には自分の仕事に専念するんだ」
ブイヨンの様子を見つめたフルータ。
「十分煮詰まってる……」
そう言い、ブイヨンをおたまで掬って味見をしたフルータは、このブイヨンの世話をするのは、終わりにした。
「ほら、君も飲んでみろよ」
おたまを、レイティに向けて差し出した。
「えへへ……間接キッスだ」
「恥ずかしいことを言うな」
それなりに上手くやっているレイティとフルータ。周囲から、ヒソヒソ声が聞こえてくる。
フルータは、何を言われているのか気になったが、自分の仕事に集中をした。




