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剣と厨房。二人の成り上がり。  作者: 岩戸 勇太
フルータの場合 4
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フルータの場合 17

「やあ、おかえりー。フルータはセルダとどんな話をしたの?」

「君のことを彼からも聞きたくてね」

 そうフルータが言うと、レイティはドキリとした顔をしていた。

「どんな話を聞いたの?」

 ジトリ……とした目で、フルータの事を見る。

「君はどうも疑り深いね。そういう所はボクは好きじゃないよ」

 そうフルータが言うと、レイティは体をビクリとさせた。

「さっきは、君が随分ボクに絡んできたじゃないか。それで、びっくりしてセルダに相談をしたんだ」

 フルータが言うと、おずおずした感じのレイティが言う。

「どう聞いたの? 私の事を、なんて言ってた?」

 レイティの様子を見てみると、怯えた子犬か何かのようだ。フルータは、レイティに向けて、優しく言う。

「なあに、昔から甘えん坊で、人によくくっついてくる子なんだって話を聞いてさ……」

「へぇ……そうなんだ、悪いこととかは言ってなかったんだ……」

 フルータは、そう嘘を言った。

 まあ、人にまとわりつく事自体は、そういっておけば可愛いもの位に、見えるものだ。

「だが、これだけは言っておくぞ。仕事中には自分の仕事に専念するんだ」

 ブイヨンの様子を見つめたフルータ。

「十分煮詰まってる……」

 そう言い、ブイヨンをおたまで掬って味見をしたフルータは、このブイヨンの世話をするのは、終わりにした。

「ほら、君も飲んでみろよ」

 おたまを、レイティに向けて差し出した。

「えへへ……間接キッスだ」

「恥ずかしいことを言うな」

 それなりに上手くやっているレイティとフルータ。周囲から、ヒソヒソ声が聞こえてくる。

 フルータは、何を言われているのか気になったが、自分の仕事に集中をした。

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