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「はあぁ~」
多くくため息をつく。手元のおみくじを恨めしく見つめる。
「正月から【大凶】って、ある意味スゲーよ」
半笑いで言う巧は大吉。その横で真面目な顔をした大貴も大吉。
「ここがどん底だからあとは上がるだけじゃん」
慰めているのか、からかっているのかわからない二人の言葉を聞きつつ大凶のおみくじを紐に結び付ける。吹き付けた風が所在なさげになおみくじを揺らした。
参拝の列に逆行するように鳥居に向かう。時折顔見知りを見つけては新年のあいさつを交わした。
「あ…」
何かを見つけたのか巧が立ち止まる。大貴と健吾もその視線を追う。
「…駿」
こちらに気づいたのか、鳥居の近くにいた駿と視線が交わる。小さく笑みを浮かべた駿はこちらへ足を向けた。
三人があいさつを交わす横で健吾は駿と横にいた女の子のことを思い出す。視線を落とすと先ほど彼女が触れていた腕が目に入る。付き合っているのだろうか。抑えていた疑問が首をもたげる。彼女のことは知っていた。学年でも中心にいて話したことは無いが名前は知っていた。
「じゃあ、俺らこっちだから」
健吾が浮かない顔をしている中、話終えたのか大貴と巧が帰ろうとする。この後は三人で大気の家に行く予定だったので健吾もそれに続こうとする。
「それじゃ…」
そこまで言うと駿に腕をつかまれた。いきなりのことで驚く。
「健吾はこっちね~」
有無を言わせない力で逆方向に引きずられる。こちらを向いたままの巧と大貴が生暖かい視線を送る。
「「ご愁傷様」」
言いながら気持ち悪い笑みを浮かべた二人は、健吾のこれからを合掌して見送ったのだった。




