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雪祭り セリフ・シャッフル 後

冬祭りの感想詩の後編です


書き終えたのは、閉村前日でした。



十六めの言葉


沈んだ気持ちを抱いていた彼は

猫の列に導かれ

猫たちの宴に参加する


南北に別れての争奪戦

猫との相撲

その大取りを任された彼は


意外な一手で勝利を得る


戦利品は山ほどのサバ缶

しかし、彼には食べ切れぬ量


ゆえに彼は、戦利品のサバ缶を

猫たちに振る舞う


そして、宴が終わり

気がつけば

夕陽に染まる公園

そのベンチで寝ていた


あの宴は夢現だったのか?


起こしてくれた彼女の言葉は

彼の疑問を解かすだろう


皮肉にも

彼が勝利を勝ち得た方法の名で――


十七めの言葉


子供時代の追憶

花を咲かせたタンポポが

一面に広がる

黄色い絨毯


春の暖かな日差しの中のこと


思い出した季節は

寒い冬の季節


冬の日差しに照らされた

彼女の顔に

彼は魅入られて

思い出したのだろう


共にいたという記憶はないが

タンポポが織り成す

黄色い絨毯で

彼女が笑顔を浮かべている光景は

違和感がないから


暖かな気持ち

それは、愛という感情


彼は愛おしそうに

追憶が視せた光景を

心に焼きつけた――


十八めの言葉


子猫が紡いだ縁


それは、彼女が勤める会社の

同僚の彼


子猫を通して彼女らは繋がった


子猫の世話に関することから始まり

ついには、共に夕食を取ることになり


今までつけていなかった

子猫の名前は

彼女と同じ名前となった


時を経て彼女たちは結ばれるだろう


子猫という小さな天使が繋いだ縁に

感謝しながら――


十九めの言葉


それは、愛する者へのメッセージ


美しき自然が視せる

誰も模写できない絵画たち


未知なる輝きを秘めた

未来ある君への

想いを綴った言葉たち


感じて悩んで考えて

君の生き方になって欲しい


辛い時を経験するだろう

そんな時にこそ

アルバムに込められた思い出は

輝きを増していく


どうか忘れないでほしい


君に託されたメッセージを――


二十めの言葉


不思議部に現れたのは

不思議部の顧問を自称する女性


自分に無い力の持ち主に

彼らの興味は尽きないだろう


例えそれが、鬼教官のようであったとしても


魔法使いの彼女は

ありのままに振る舞っていく――


二十一めの言葉


子供の時にまで遡る記憶


眠りにつくまでの

彼との語らい


いつもは、学校や友達などの

ありふれた会話だったが


あの日は違った


それは、お化けや妖怪の話


彼は言った

「不思議なものを研究した本を書きたい」と

彼女は言った

「あなたが書いた本を読みたい」と


彼女にとって

彼が書いた本は

特別なものだったから


二人は誓った


しかしその誓いは

果たされることはなかった


大人になった今ならと

彼女は思う

あの日の晩

彼が話して欲しかったものが


そのことを思い出しながら

真っ青な蒼空へと

彼女は呟く


彼が欲していた言葉を――


二十二めの言葉


作品を書くために

ボツとされた幾つものアイディア


仲間たちへの愚痴

恋人持ちへの嫉妬


どれもつまらない

読者を不快にさせる


それゆえに、ボツとされてしまった


刻々と時は締切へと刻みゆく


そんななかで思いついたもの


余裕を持っていた

過去の自分からの

催促を切り抜けるために

言葉を発したのだ


今100%脳を使っていると――


二十三めの言葉


それは、砂漠の国の物語


大陸全土を支配した帝国から

独立した国の系譜から始まり


若き支配者となった

女王の戴冠を描いたもの


宴の席に招かれたのは

大陸一の吟遊詩人


彼が吟唱する英雄譚の

見事な語りに

老若男女は拍手喝采を送る


しかし、陰謀のシナリオは

彼を容赦なく巻き込んだ


昨夜の栄光から一転し

夜が明けたら

女王暗殺未遂の容疑者にさせられた


無罪を晴らすために

彼は首謀者によって仕組まれた

決闘へ向かい、勝利する


露わにされた首謀者は

仮面を脱ぎ捨て

秘めたる本性を

剥き出しにするも

彼によって生命を失う


やがて彼は旅に戻るも

追いかけてきた女王へと

一つの約束を交わすだろう


如何なる災いが押し寄せようが

全ての災厄を退ける

気高くも優しい国にするために――


二十四めの言葉


洋菓子店の老いたる店主

心は現役のつもりでも

家族からの気遣いに

苦笑しながら受け止める


いつ来るのか分からない

愛する家族との別れに

心しながら

日常の時を過ごす


それは不意に現れた

急な意識の喪失

目覚めた時には

胸の痛みと

別れの悟り


心配して集まってくれた

家族たちへ

別れの言葉を告げて

老いたる店主は

目を閉じた――


二十五めの言葉


それは、とある青年の話


靴箱の中のラブレター

意味深な内容

心当たりがある彼は

待ち合わせの場所へと

駆けていった


そこで待っていた女性は

挑発とともに

怪しげな液体を渡す

勢いのままに

挑発に乗ってしまった彼は

渡された液体を飲み干した


不快感に襲われながら

熱さを感じ

ついには、彼が欲していたものが現れた


だが、彼に待っていたのは

残酷な結末


彼が欲していたものが

次の瞬間に

落ちていったのだ


女性の冷たい仕打ちに

彼の慟哭は響き渡った――


二十六めの言葉


彼から見た彼女の印象

彼女から見た彼の印象


小学生の時代に出会った二人は

同じアパートであったために

よく二人で遊んだが

亀裂が生じていた


当時は埋められることの無かった

深い亀裂


言葉の架け橋は

かけられることはなくなったが


未来において

亀裂は埋められるだろう


物語が気になったなら

訊いてみなければ

分からないのだから――


二十七めの言葉


それは、交互に繰り返される物語


失われてしまった言語

求めるは戦争の技術

欲望の愚かさに

人間は気づこうとしないのか


伝承の真実

甘い誘い

砕かれた企て


殺すためではなく

生かすための力


理想が無ければ

本物にはなれない


彼と出会った彼女は

理想を実現させようと

努力するだろう


支配者には疎まれても

民には喜ばれるのだから――


二十八めの言葉


妬みがもたらしたのは

他者を蹴落とすための

残酷な策謀


父を誑かした娘は

愛を独占するために

唯一の妹を

栄光から永遠の奈落へと

突き落とした


腐敗した身体

絶望する心

復讐の決意


彼女を救い出したのは

死神と名乗る青年


彼は彼女の復讐を気に入ると

腐敗した身体を

動きやすくする方法を

彼女に施した


全身を血抜きし

臓器を取り去るのだ


空になった身体に詰め込むのは

臭いを紛らわす香草たち


やがて、復讐の時が訪れる


隠し通路から入った二人は


復讐すべき娘へと

たどり着く


寝ている娘の首に

死神がもたらしたナイフを

突きつけたのだ


しかし、彼女が手にしたナイフは

娘の喉頸を切ることはなかった


寝ている娘の首を

切ったところで

意味は無いと

悟ったから


彼女は死神と共に

永き時を生きることを

決意する


彼女の呼び方に困った死神は

彼女に名を問うが


彼女は笑いながら

名を調べるように

死神へと勧めた――


二十九めの言葉


一つの占領事件

とある日に不満を抱く者たちが

起こした事件


長い硬直の後

硬直に耐え切れなかった者が投げた

種子によって

鎮圧戦は開始された


不満者たちの憎悪は凄まじく

防衛ラインは退かれるばかり


その最中に到着したのは

防衛者たちの司令官


彼女が発した言葉は

不満者たちの勢いを削ぐも

わずかな時しか

削げなかった


業を煮やした彼女は

天へ向けて、銃弾を

発砲する


それは、不満者たちの動揺を招くため


映像や電子ゲームで

音は知っていたとしても

間接的に知っているだけ

直接的に入ってきた

本物の発砲音に

不満者たちは動揺を

堪え切れない


彼女は怒気を込めて

発した言葉に


不満者たちは

抵抗戦意を失った


その隙を利用して

防衛者たちは

不満者たちを取り囲む


こうして、占領事件は幕を閉じ


無事に製菓会社のイベントは開かれたのだった――




ここまで読んでくださった方々ありがとうございます。


今話で連日の予約投稿は終わりとなります。


次話からは、不定期更新となります。

朝7時の予約投稿は行いますけどね。


エッセイ村で書きたかった話とか色々あるので、それが尽きない限り書き続けますよ。


ではでは

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