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追憶詩「エッセイ村」

書き下ろし作品です。

とある村で紡がれた物語は

ただ、朝と夜の中で

垂直に編まれ落ち


賢者の語りは

新たな側面を紡ぎ出すだろう


精神の断崖に歌うのは

追憶と約束の解析者


幻想を描いた絵画の手法を

賢人は祭りの最中に語り出し


演奏家たちは電脳の海に鳴る

無数の幻想曲を集めて

楽園の呪歌を歌うだろう


白鴉が掴んで持ってきた手紙に描かれていたのは

存続の期待を裏切られ

復讐に心を駆られた

男の物語

愛犬の頭を撫でながら

冷たいラムネを

飲み干して

虚ろな諦観に堕ちてゆく


死蔵の収穫は春の時に紡がれて

夏の納涼の時は題の入れ替えだった

秋の新嘗はキーワードの連結で

冬の雪にセリフの入れ替えだった


多数の人々が互いに紡いだ物語たちは

今は亡き村の中で

終えたのもあれば


村から離れ

それぞれの手で

今もどこかで

紡がれているだろう


追憶の微睡みの中で

聞こえたのは

「じゃんけんをしよう」と言う

無邪気な少年のようで

深慮なる老紳士の声だった――


《終》

構成はサンホラのRomanの「朝と夜の物語」と「黄昏の賢者」の二曲から模倣しました。

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