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退魔師、異世界に転生する  作者: るうと280
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第三話:驚異の分裂!手に入れましたよ!串焼き!


「よしゴン、その子猫の気配、追える?」


「お安い御用でございます。……しかし、今のミズキ様から溢れるこの霊力……これなら、いけるかもしれませぬな。――はぁっ!」


ゴンの気合と共に、ポンッ、ポンポンポンッ! と、小気味よい音があたりに響いた。


「えっ、えええええええっ!? ちょっと、ゴン! 増えすぎじゃない!?」


私の目の前には、見渡す限りのモフモフ。分裂したゴンの数は、なんと30匹!

前の世界では、どんなに頑張っても5匹程度が限界だったのに、今の私はどんだけ燃費がいいのよ。


「おおお……ミズキ様、すごいですぞ! 体が軽い、いくらでも自分を増やせる気がいたします!」


「これなら、街中の路地を一斉に捜索できるわね。……よし、みんな散って! ミーちゃんを見つけて!ローラー作戦開始!」


30匹のゴンは、シッポを振り乱して四方八方へ散っていった。

結果はすぐに出た。わずか数分後、路地裏の木箱の隙間で丸まっていた子猫を、ゴンたちが包囲するようにして見つけ出したのだ。


「やった! さっそく飼い主さんのところに……って言っても、私、どうしようこの街の住所なんてわかんないんだけど」


「こっちです、ミズキ様!」


一匹のゴン(便宜上、彼をゴンAと呼ぶことにした)が、私の裾をグイグイと引っ張る。


「あちらで、必死に猫を探している女性がおります! 匂いがこの子と一致しましたぞ!」


「でかしたわ、ゴンA!」


「Aって……まぁ、分かりやすくてええですけど」

あれ?ちょっと不機嫌?


ゴンAに案内され、角を曲がると、涙目でキョロキョロしている女の人がいた。


「そこのお姉さん! この子はあなたの猫ですか?」


私が抱えた子猫を見せると、彼女の顔がパッと輝いた。


「あ、ああ……! ミーちゃん! ミーちゃんなのね、探したのよ〜!」


「にゃ〜ん」


ミーちゃんは飼い主さんの腕の中に飛び込み、幸せそうに喉を鳴らした。お姉さんは何度も目元を拭いながら、私に向き直った。


「本当にありがとう、お嬢ちゃん。……ええと、」


「ミズキです!」


「ありがとう、ミズキちゃん。これ、少ないけどお礼ね。本当に助かったわ」


手渡されたのは、小さな革の袋。

中を覗くと、キラリと光る**銀貨が4枚**入っていた。


「……ねぇゴン。これって、こっちの世界だとどれくらいの価値があるのかな? 全然相場がわかんないんだけどさ」

「ふむ……。先ほど路店で見かけた香ばしい匂いの串焼きが、一本銅貨4枚ほどでした。お釣りで価値がわかる思うのですが」

「おお、ゴン、冴えてるね」


早速行くわよ!

「よし! 作戦大成功! ゴン、まずはあの串焼きで腹ごしらえよ! 肉串の味、堪能させてもらうんだから!」


「心得ました! さあ、冷めないうちに参りましょう!」


銀貨を握りしめ、私は銀髪をなびかせて屋台へと猛ダッシュした。


「おじさん一本ちょうだいな!?」

「いらっしゃい、お嬢ちゃん」

「これで、いい?銀貨かい、ちょっと待ちな。お釣りは小銀貨9枚とどうか6枚だ。毎度あり!」

「ありがとう、おじさん」


私のお腹が、待ってましたとばかりに本日最大の咆哮を上げた。

グリュリュリュリュリュ〜〜〜〜!


肉串は、めっちゃ美味しかったです。

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