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退魔師、異世界に転生する  作者: るうと280
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第四話:これってテンプレ・・かな?


「もぐもぐ……ん、んまーーい!!」


異世界一食目、念願の串焼き。お肉がちょっと固めだけど、ワイルドなスパイスが効いていて最高に美味しい。銀貨を握りしめて買い食いする背徳感、たまんないわね!


なんて感動に浸っていたら、不意に私の周りに影が落ちた。


「おいおい、モグリだぜ。お嬢ちゃん」

「いけないなぁ、勝手に依頼を受けちゃあ」


見上げると、そこにはいかにも「ガラの悪い冒険者」を絵に描いたような、**むさいおっさん四人組**が立っていた。


「……何、この人たち。ムサイ……」


「誰がむさいんじゃ、ゴラァ!」


私の心の声が漏れてたみたい。おっさんの一人が血管を浮かせて怒鳴る。


「処しますか? ミズキ様。今なら30匹の某で、彼らの足の指だけを執拗に噛むことも可能ですが」


「いや、ゴン。とりあえずおっさんたちの主張を聞こうよ。法治国家かもしれないし」


すると、リーダー格のおっさんが鼻を鳴らして言った。


「お嬢ちゃん、その猫探しの依頼はな、ギルドに正式に出されてたもんなんだよ。それをギルドに登録もしてねぇガキが横取りしたって訳さ。わかるか? 営業妨害だ」

「わかったら、有り金を全部よこしな!」


「えー、なんで〜? 私が自分の足で探して、飼い主さんに直接お礼をもらったんだよ。これ、私の労働対価じゃない」


「だから、それがモグリ行為だって言ってんだろ!」


お肉を食べてる邪魔をされただけでもイラッとするのに、このおじさんたち、子供からお金を巻き上げようとするなんて。


「それにしても、子供からお金巻き上げるなんて、大人の風上に置けないね。情けなーい」

「全くだ。大人として恥ずかしいよ」


私が言うより先に、別の方から呆れたような声が響いた。

人混みを割って現れたのは、身なりのいい軽鎧を着た青年……というか、お兄さんだった。


「大丈夫か? お嬢ちゃん」


「えっと……ありがとうございます? かな?」


「うんうん、お礼を言えるか。偉いなー、いい子だ」


そう言って、彼は馴れ馴れしく私の頭をポンポンと撫でてきた。……ちょっと、銀髪が乱れるじゃない。私、中身はあんたより年上かもしれないんだからね?


「誰だお前! 邪魔すんじゃねぇ!」


「あっれ〜、俺を知らない? お前らこそ、どこのモグリだい?」


お兄さんが余裕の笑みで問い返すと、おっさんたちは誇らしげに一枚のプレートを突き出した。


「モグリじゃねぇよ! これを見ろ、ギルドカードだ。俺らはもうすぐDランクに手が届く、実力派のEランクなんだぜ!」


「へ〜、それってすごいの? おじさん」


私が素朴な疑問を投げかけると、お兄さんは「おじさんはひどいな、これでもまだ29歳なんだぜ?」と少しショックを受けた顔をした。……29歳? うん、立派なおじさんだよね。


「あんまり大したことないよ。結局まだEランクなんだろ? その年でまだ下位ランクに燻ってるなんて、笑えるぜ」


お兄さんは一転して冷ややかな視線をおっさんたちに向ける。


「ひ、ひえっ……!」


おっさんたちがその気迫に腰を抜かして逃げていくのを、私は串焼きの最後の一切れを頬張りながら見送った。


「助けてくれてありがと、29歳のおじさん。……で、さっきの話、本当なの? ギルドに入ってないと依頼を受けちゃいけないの?」


「お兄さん、って呼んでほしいなぁ……。まあ、厳密に言えばギルドを通さない依頼は『個人契約』になるから、ギルドが守ってくれないだけで違法じゃないんだけどね。でも、あんな連中に目をつけられると厄介だよ」


そう言って笑う彼からは、おっさんたちとは違う「強者」の気配がした。……異世界、案外ややこしい場所なのかもしれないわね。

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