第13話 それは怪鳥ではありません。
「さて、戸締りもしたし、買い出しにいくかね」
トミは戸締りをしっかり確認して出かけた。
が――
「あの婆さんの小屋にはお宝がいっぱいある」と聞いたコソ泥が、鍵穴を道具を使ってこじ開けると、トミのリュックに近付いた。
「これだな。
ヒャッキンやツーハン遺跡の宝があるリュックは……」
そっと手を伸ばす。
トミが帰ってくる様子はない。
「しめしめ……」
リュックを掴んで小屋を出ようとしたら――
ピリピリピリピリ!!!
けたたましい音が小屋中に響き渡る。
「なんだこの音は?」
「バーチャンの小屋の方だぞ!」
何事があったのかと、近くにいた冒険者達が、トミのコテージに駆けつけると――
そこには、突然の音に腰を抜かした男が1人。
「あ!
こいつバーチャンのリュックを!」
「泥棒だ!」
騒ぎを聞きつけて、わらわら集まる冒険者達。
男はあっと言う間に捕らえられる。
そこにトミが帰ってくる。
「なんだい?
この騒ぎは……」
リュックとベッドの間にくくりつけた防犯ベルを止める。
「バーチャン!
こいつ、バーチャンのリュックを!」
「盗もうとしていたんだ!」
「おやおや、じゃあそいつの処分は任せていいかい?」
コソ泥は、冒険者達に、引っ張っていかれた。
「バーチャン、今の音は?」
「凄い、怪鳥の鳴き声だったけど」
「怪鳥?
ああ、これは防犯ベルだよ。
この紐が引っ張られると、さっきみたいな大音がするのさ。
あと、大きな声が出せない時も使えるかね」
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後日、バーチャンの荷物は、幻の怪鳥が守護しているという噂が流れた。
防犯ベルはブザー式と紐引っ張り式がありますが、私は紐引っ張り式です。
これも懐中電灯同様、定期的に電池の残量をチェックしておいてください。




