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戦争捕虜の少女たちが労働施設でロックバンド  作者:
冒涜的チョコ・コーティング
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山猫の感想

 懲罰房で必死に考えていた。

 どうすればいい音楽を作れるかということを。そして、それはあまりにもレベルの高い雲、桜、チョコの手によってあっさりと完成されてしまった。

 雲はおそらく、私のベースを研究していた。喧嘩するような、あるいはおちょくるような音をハイクオリティにぶつけてくれた。

 そのただの音の喧嘩を、音楽へと誘ったのはチョコだ。私ではチョコのキーボードの技術がどんなレベルにあるのかはわからないが、圧倒的なバランス感覚で束ねてしまう彼女がいればどんな音だって鳴らすことができてしまう。

 そして極め付けは桜。神がかり的なタイミングと、抜群な理解力の高さ。欲しいニュアンスを完璧に汲み取り、欲しいところに欲しい物語で完璧に色付けてくれる。

 すごい。

 あまりにもすごいメンバーだ。

 それは、わかっている。だから、そんなことっておかしいと思う。

 私は雲の方を見た。彼女のいつものふわふわの笑顔が、とても嫌らしく映った。

 桜の方を見ると、彼女ははしゃいでいた。

「ウチ、こんなに気持ちいいの、初めてかも」

 恍惚の表情を浮かべ、その楽曲の余韻に浸るように。

 それは否定しないし、素晴らしい音楽だったと思う。誰もが全力を尽くし、そして音楽は完璧に練り上げられたんだ。

「ほら、もっかいやるよ」

 チョコの声に、雲が従う。細やかなピッキングが再び技術を見せつける。私はそこに、荒々しいだけの音をぶつける。

 桜の音が入る。それはもう、抜群のタイミングで。

 すごくいい。

 とってもいい音楽だ。

 でも。

 足りない。

 ぜんぜん足りない。これは私たちのベストじゃない。

 私はもっといい音楽を知ってる。

 雲が聞かせてくれた、レコーダーで適当に録った私の声にギターを乗せただけの音楽。そんなものにさえ、この音楽は届いていない。

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