↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/41

35話・あれ?なんかボスが違うくないか?やっぱり違うよな!?

 ナバールリゾート施設から徒歩30分の場所にある、ダンジョン・魚民。

 洞窟タイプのダンジョンで、トバリ達は地図片手に朝の9時半から奥へ潜っていく。


「洞窟ダンジョンの割に高速道路のトンネルくらい広くないか?」

「かもね。っと、魔物が出てきたよ!」

「「「はい!」」」


 大盾を持つソラを先頭に歩いていると、洞窟にある穴から1.2メートルほどの青い肌を持つ魚人が現れた。

 武器はサーベルで背中にはヒレがあり、現れた魔物・サバジン5匹がトバリ達へ武器を向ける。


「あいつらが噂のサバジンですね!」

「そうそう! たぶん、今の君たちなら余裕で倒せると思うよ」

「……すでにソラとシオンが突っ込みましたよ」

「あ、うん、せっかく目を逸らしていたんだけど!」


 頬を引きつらせる河原をよそに、トバリがため息を吐く。

 2人の前にはリュックを置いて武器を構えたシオンとソラが、笑顔で突っ込んで行く。


「「「「「ギャキャ!?」」」」」

「「最高!!」」


 ソラが中央のサバジンのサーベルを大盾で弾き飛ばした後、金属メイスで頭をかち割った。

 その動きに合わせて、他の4匹のサバジンがソラに向けてサーベルで斬りかかる。


「貴様ら、わたしを忘れるなよ!」


 右側のサバジン2匹をシオンがアイアンカタナで真っ二つに切り裂く。

 残った2匹はソラがメイスで殴り潰し、5匹のサバジンは紫色の煙になり、武器とドロップ品を残して消えた。


「サバジンってそこまで強くないのか?」

「んー、サバジン自体は普通のゴブリンより少し強いくらいだけど、あの2人の腕がいいから無傷で倒せたんだよ」

「そうなんですね」


 戦闘終わり。

 河原がトバリの肩を優しく叩いた。


「トバリ君が人を頼るのは苦手かもしれないが、あの2人は弱者じゃないから大丈夫だよ」

「……はい」

〈本当の弱者はあいつらじゃない。俺なんだよな〉


 額に手を置くトバリへ、ソラとシオンが微笑んだ。


「トバリ! ドロップ品を拾うのを手伝ってくれ!」

「はいはい。お前ら、派手に暴れたのはいいけど体力は使いすぎるなよ」

「「もちろん!!」」


 リュックを拾い直した2人は、地面に落ちたドロップ品を回収する。

 トバリはサバジンのサーベルを律儀に落ちている鞘へ戻し、河原の大型バックパックへ差し込んでいく。


「あ、うん、トバリ君。おれは荷物持ちかい?」

「一番効率がいいんでよろしくお願いします」

「ええ!?」


 真顔で5本のサーベルをバックパックに入れたトバリは、そのまま河原へ背負ってもらう。

 

「こっちも回収が終わったッスよ」

「ああ! 奥に行くぞ」

「おう!」「うす!」「あ、ああ」


 トバリの一言に、シオンとソラは元気よく、河原が苦笑いを浮かべた。

 そのまま4人は雑魚のサバジンや、上位種のスイサバジンを倒しながら奥へ進んでいく。


 ーー


 ダンジョン・魚民に入ってから約3時間半後の13時。

 昼食休憩も終わり、4人はリュックや大型のバックパックを背負い直し、目の前にある石製の大きな扉の前に立つ。

 近くの広場には他に冒険者・傭兵チームがおり、大規模戦闘の準備を整えていた。


「すみません。次は自分達の番でいいですよね」

「ああ! 角刈りの兄さんもお守りを頑張れよ」

「はい、ありがとうございます」


 河原がスキンヘッドの傭兵に頭を下げた後、4人は石の扉を開けた。

 すると、中にはコイみたいな顔に黒っぽい鱗を持つ3メートルほどの分厚い鎧を着た大きな魚人が、右手に持つ白銀の槍を構えていた。


「「「「……え?」」」」


 トバリ達は予想外の敵に口を大きく開けた。

 そのまま石扉が閉まり、ガチャリと音が鳴る。


「あ、あの、河原さん。アイツは噂に聞いていたトライデントシャーマンではないですよね!?」

「おそらくアイツは、ワンランク上のボス・アクアヘビィ・フィッシャーマンだ」

「ほう? つまりわたし達は当たりを引いたんだな」

「さ、さあ? って、攻撃が来るよ!」


 4人はすぐさま壁際に荷物を置いた後、武器を抜刀する。

 相手のアクアヘビィは、槍を両手で持ちクルクルと回し始めた。


「コオオォ!!」

「通常のサンダーボルト!!」

「ゴオォ!?」


 槍を回してやる気満々のアクアヘビィに対して、トバリが容赦なく雷魔法のサンダーボルトを当てた。

 トバリのやり方に、シオンやソラが苦笑いを浮かべる。


「トバリはいつも通りだな」

「ああ! 相手は麻痺が入ったし倒すぞ」

「「「おう!!」」」


 片膝をついて体からバチバチと音がするアクアヘビィに対して、トバリ達は全力で斬りかかる。

 先頭はソラで片膝をついているアクアヘビィへシールドタックルを仕掛けた。


「これでも食らえッス!」


 ソラのシールドチャージがアクアヘビィの頭に直撃するが、相手は頭突きで弾き返した。

 そのままソラは尻餅をつくが、すぐに起き上がりバックステップを踏んだ。


「ゴオォ!!」

「集中型のサンダーボルト!!」

「ごがっ!?」


 ソラが離れた隙に、トバリが2発目のサンダーボルトを放つ。

 今回は集中型でアクアヘビィの左肩を貫き、左腕を地面に落とした。


〈やっぱり予想外は起きたけど、これなら勝てる!!〉


 トバリがニヤリと笑う中、片腕を落としたアクアヘビィが周りに咆哮を上げた。


「グオオォォ!!」

「チッ!」


 斬りかかろうとしていたシオンと河原はすぐに後ろに下がる。


「トバリ君、魔力に余裕はあるかい!」

「もちろんありますよ」


 少しズレた黒縁メガネを直したトバリは、軽く息を吐いた。


〈さて、どう勝つかだな〉


 最初はトバリ達有利だが、アクアヘビィは右手一本で槍を持ち、やる気満々で鋭い目を浮かべるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。