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貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


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第二部 北部編 北風

お読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

北から。


風が吹いていた。



冷たい。


けれど。


どこか懐かしい風だった。



巡礼路は。


静かだった。



少し離れた場所。


ケッヒル大佐が。


アルスと向き合う。



「後は任せる」



アルスは。


真っ直ぐ。


ケッヒル大佐を見つめた。



「了解」



それだけだった。


二人は。


固く握手を交わす。



もう。


言葉は要らなかった。



ドルガンが。


豪快に笑う。



「帰って来い」


「その時は」


「酒だ」



俺も笑う。



「ああ」



フィオが。


少し寂しそうに。


小さく手を振る。



「エイゼン君」


「気をつけて」



「ありがとう」



シンが。


静かに言う。


「行け」


それだけ。



俺は。


静かに頷いた。



カイゼルは。


腕を組んだまま。


鼻を鳴らす。



「面倒事ばかり」


「増やすなよ」



「おう!」



思わず。


笑みが漏れる。



その様子を。


レオンは。


馬の横で。


静かに見ていた。



「忘れ物はないな」



短い。


それだけだった。



「ない」



俺も。


短く返す。



グリードが。


肩に剣を担ぐ。



「こんな終わり方とはな」



苦笑する。



「ますます」


「面白くなってきた」



ヴェルナが。


ため息をつく。



「面白いで済ませるのは」


「あんたくらいよ」



ルーは。


優しく微笑む。



「行きましょう」



その笑顔に。


少しだけ。


肩の力が抜けた。



「シュトック」



振り向く。


リシェルだった。


少しだけ。


困ったように笑う。



「行こう」



「……ああ」



俺は。


最後に。


巡礼路を見た。



崩れた鐘楼。


積み上がった瓦礫。



昨日まで。


確かにあったものが。


もう。


そこにはない。



『おかえり』



もう。


あの声は。


聞こえなかった。



老人が。


ゆっくり歩み寄る。


俺の前で。


深く頭を下げた。



「どうか」


「ご無事で」


「シュトック様」



俺は。


何も答えない。



ただ。


静かに。


一礼を返した。



老人は。


穏やかに微笑む。



クレイスが。


全員を見渡す。



「参りましょう」


「まずは」


「王都ヴァルクレインです」



「北へ向かう支度を」


「整えます」



俺たちは。


巡礼路を後にした。



崩れた鐘楼は。


もう。


見えなかった。



冷たい北風が。


正面から。


吹きつける。



俺たちは。


その風の中を。


歩き続ける。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


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