証言
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突破隊が。
戻ってきた。
兵士たちが。
左右へ道を開ける。
レオン。
ドルガン。
ヴェルナ。
フィオ。
ルー。
アルス。
六人とも。
無事だった。
俺は。
思わず。
駆け寄る。
「レオン!」
レオンも。
俺を見る。
その目。
安堵。
そして。
困惑。
ドルガンが。
真っ先に口を開いた。
「おい、お前」
「生きててよかったぜ」
「……けどよ」
「どこに行ったんだよ」
俺は眉をひそめる。
「どこって」
「鐘楼だろ」
「お前らと一緒に」
ドルガンの表情が固まる。
レオンが。
静かに口を開いた。
「確認したい」
短い声。
「鐘楼までは」
「俺たちは一緒だ」
頷く。
「俺が聞いているのは」
「その後だ」
「その後?」
「地下へ降りただろ」
「壁画があって」
「古い本が――」
レオンは。
首を振った。
「そのことじゃない」
「その後」
「お前は」
「突然」
「黙った」
ヴェルナが続ける。
「あんた」
「急に様子がおかしくなったのよ」
アルスも頷く。
「呼びかけても」
「返事がなかったよ」
フィオが。
小さく息を吸う。
「それで……」
ルーが。
静かに言った。
「あらぁ」
「消えちゃったの」
背筋が冷えた。
「……何言ってる」
ドルガンが。
首を横に振る。
「俺ぁ」
「この目で見た」
「お前は」
「目の前から」
「消えた」
俺は。
首を振る。
「違う」
「俺は」
「門の前で倒れて――」
「その通りです」
クレイスだった。
いつの間にか。
皆の輪へ入っている。
「双方とも」
「見たものを」
「そのまま話しています」
「食い違っているのは」
「証言ではありません」
静かに。
全員を見回す。
「現象です」
誰も。
口を開かない。
クレイスは続けた。
「巡礼路について記された文献には」
「旧王国滅亡以降」
「奇跡」
「幻視」
「霊的現象」
「説明のつかない記録が」
「幾つも残されています」
「私は」
「今回も」
「その類だと考えます」
「我々の常識だけで」
「結論を出すべきではありません」
静かな風が吹く。
レオンは。
ゆっくり。
老人を見る。
「あんた」
老人が。
顔を上げた。
「こいつを」
「シュトック様と呼んだな」
老人は。
静かに頷く。
「はい」
「理由を聞こう」
老人は。
ゆっくり。
目を閉じた。
長い沈黙。
やがて。
小さく首を振る。
「……申し上げられませぬ」
ドルガンが。
思わず声を荒げる。
「何でだよ!」
老人は。
震える声で答えた。
「そのことを語るには」
「まだ」
「早すぎます」
レオンは。
一歩。
前へ出る。
「なら」
「一つだけ答えろ」
「巡礼路で」
「何が起きた」
老人は。
開いた門を見つめる。
そして。
静かに。
口を開いた。
「巡礼路は……」
少し。
言葉を探す。
「生者と死者」
「過去と現在」
「その境が」
「最も曖昧になる場所」
俺は。
思わず息を呑んだ。
老人は。
もう一度。
俺を見る。
「それゆえ」
「帰って来られる方も」
「おられるのです」
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