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貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


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証言

お読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

突破隊が。


戻ってきた。


兵士たちが。


左右へ道を開ける。



レオン。


ドルガン。


ヴェルナ。


フィオ。


ルー。


アルス。



六人とも。


無事だった。



俺は。


思わず。


駆け寄る。



「レオン!」



レオンも。


俺を見る。


その目。


安堵。


そして。


困惑。



ドルガンが。


真っ先に口を開いた。


「おい、お前」


「生きててよかったぜ」


「……けどよ」


「どこに行ったんだよ」



俺は眉をひそめる。


「どこって」


「鐘楼だろ」


「お前らと一緒に」



ドルガンの表情が固まる。



レオンが。


静かに口を開いた。


「確認したい」


短い声。


「鐘楼までは」


「俺たちは一緒だ」



頷く。



「俺が聞いているのは」


「その後だ」



「その後?」


「地下へ降りただろ」


「壁画があって」


「古い本が――」



レオンは。


首を振った。


「そのことじゃない」


「その後」


「お前は」


「突然」


「黙った」



ヴェルナが続ける。


「あんた」


「急に様子がおかしくなったのよ」



アルスも頷く。


「呼びかけても」


「返事がなかったよ」



フィオが。


小さく息を吸う。


「それで……」



ルーが。


静かに言った。


「あらぁ」


「消えちゃったの」



背筋が冷えた。


「……何言ってる」



ドルガンが。


首を横に振る。


「俺ぁ」


「この目で見た」


「お前は」


「目の前から」


「消えた」



俺は。


首を振る。


「違う」


「俺は」


「門の前で倒れて――」



「その通りです」


クレイスだった。


いつの間にか。


皆の輪へ入っている。


「双方とも」


「見たものを」


「そのまま話しています」


「食い違っているのは」


「証言ではありません」



静かに。


全員を見回す。


「現象です」



誰も。


口を開かない。



クレイスは続けた。


「巡礼路について記された文献には」


「旧王国滅亡以降」


「奇跡」


「幻視」


「霊的現象」


「説明のつかない記録が」


「幾つも残されています」


「私は」


「今回も」


「その類だと考えます」


「我々の常識だけで」


「結論を出すべきではありません」



静かな風が吹く。



レオンは。


ゆっくり。


老人を見る。


「あんた」



老人が。


顔を上げた。



「こいつを」


「シュトック様と呼んだな」



老人は。


静かに頷く。


「はい」



「理由を聞こう」



老人は。


ゆっくり。


目を閉じた。



長い沈黙。



やがて。


小さく首を振る。


「……申し上げられませぬ」



ドルガンが。


思わず声を荒げる。


「何でだよ!」



老人は。


震える声で答えた。


「そのことを語るには」


「まだ」


「早すぎます」



レオンは。


一歩。


前へ出る。


「なら」


「一つだけ答えろ」


「巡礼路で」


「何が起きた」



老人は。


開いた門を見つめる。


そして。


静かに。


口を開いた。


「巡礼路は……」


少し。


言葉を探す。


「生者と死者」


「過去と現在」


「その境が」


「最も曖昧になる場所」



俺は。


思わず息を呑んだ。



老人は。


もう一度。


俺を見る。


「それゆえ」


「帰って来られる方も」


「おられるのです」

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