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貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


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四回目

お読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

ゴォォォォォン――。



鐘が鳴る。


黒甲冑が。


杭を握る。



カイゼルが笑った。


「右脇、ねぇ」


剣を肩へ。


「外したら恨むぞ」



シンは答えない。


黒甲冑だけを見ている。


静か。


あまりにも。


静かだった。



次の瞬間。


黒甲冑が消える。



一撃目。


杭。


カイゼルが跳ぶ。



ドォォォン!!



石畳が砕ける。


破片が宙を舞う。



「一!」


グリードが叫ぶ。



二撃目。


横薙ぎ。


カイゼルが屈む。


風圧。


後ろの白甲冑が吹き飛ぶ。



「二!」



三撃目。


突き。


速い。


さっきより。


さらに。


カイゼルの頬が裂ける。


血。


でも。


避けた。



「三!」


グリードの声は。


少し掠れていた。



シンの目が。


わずかに細くなる。


「来る」



カイゼルが笑う。


「来いよ」



黒甲冑が止まる。


杭を引く。


低く。


腰を落とす。



クレイスが顔を上げた。


「構えが――」



違う。



シンが一歩出る。


「今」



黒甲冑が踏み込む。


速い。



だけど。


本当に。


右脇。


ほんの僅か。


装甲が浮いた。



カイゼルが笑う。


「マジかよ!」



踏み込む。


剣。


一閃。



ガギィィィィン!!



火花。



黒い破片。


右脇。


明確に。


裂けた。



全員が息を呑む。



入った。


初めて。


黒甲冑へ。


傷が入った。



カイゼルが着地する。


笑う。


「おいシン!」


「見えてんじゃねぇか!」



シンは首を振った。


「癖だ」


短く。


それだけ。



黒甲冑が。


止まっていた。



裂けた右脇。


その奥。


暗い。


穴みたいだった。


肉も。


血も。


見えない。



クレイスが呟く。


「……何もない?」



分からない。


誰にも。



黒甲冑が。


ゆっくり。


顔を上げる。


怒っている。


そんな気がした。



その時。



ゴォォォォォン――。



鐘。


いつもより。


短い。



シンが顔を上げる。


クレイスも。


老人も。


全員。


門の奥を見る。



ゴォ……



音が。


途切れた。



黒甲冑が。


止まる。


杭を持ったまま。


動かない。



グリードが目を見開く。


「え?」



白甲冑も。


止まった。



風だけが吹く。



老人が震える。


「鐘が……」


掠れた声。


「止まりかけている……」



レオンたちは。


まだ戻っていない。



俺は。


門の奥を見る。


あの向こうで。


何が起きている?



黒甲冑が。


初めて。


門の奥を見た。



そして。


ほんの僅か。


後ずさった。



シンが呟く。


「始まった」



何が。



そう聞く前に。


鐘が。


完全に。


止まった。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


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