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貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


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出征命令

お読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

「ドルガン・バレスだ」


「第7で一番強ぇ」



うわ。


自分で言ったよこの人。



しかも。


誰も否定しねぇ。


本当に強いのかよ……。



ドルガンは、豪快に笑いながら近づいてくる。



その途中で。


ふと。


俺の両手を見た。



右。


リシェル。



左。


フィナ。



……あ。



ドルガンの眉が、ぐいっと上がる。



「おいおい」


ニヤリと笑った。



「なんだ坊主」


「なかなかやるじゃねぇか」



嫌な予感しかしない。



ドルガンは、ガハハッと笑った。



「剣士見習いのくせに、両手にベッピンとはなァ!」



「ちょっ――」


「べ、別にそういうのじゃ――」



リシェルの顔が、一気に赤くなる。



フィナは、きょとんとしていた。


たぶん意味分かってない。


助かった。



……いや助かってない。



ドルガンは、さらに笑う。


「しかもそっちは、王家のお姫様だろ?」



部屋が止まった。



え?


俺も止まった。



セレーナの目が細くなる。


「ドルガン」



静かな声だった。


でも怖ぇ。



ドルガンは、まるで気にしていない。


「おー怖ぇ怖ぇ」


「そんな睨むなよ姉ちゃん」



ね、姉ちゃん!?



この人、王家相手にその態度なの!?



レオンが、深々とため息を吐く。


「……相変わらずだな」



ケッヒル大佐が、低く言った。


「ドルガン」



その一言だけで。


ドルガンが、肩をすくめる。



「へいへい」



……従うんだ。



なんなんだ、第7って。



その時。


クレイスが、静かに資料を閉じた。



銀のレンズが光る。



「大佐」


「私も同行します」



ケッヒル大佐は、即答した。


「好きにしろ」



「ありがとうございます」



へぇー。


ついて来るんだ。



銀のレンズが、こちらへ向く。



……いや。


なんか怖ぇんだけど。



「俺のこと、見張ってたりしないですよね?」



クレイスは、一瞬だけ沈黙した。



「見張る?」



わずかに首を傾げる。



「君は重要な観察対象です」



おいおいおい。


やっぱり見張るのかよ。



クレイスは、そのまま続けた。



「旧アルヴェリア巡礼路」


「白甲冑」


「そして、王殺し」



銀のレンズが、わずかに細められる。



「現地で繋がる可能性があります」



ケッヒル大佐は答えない。


ただ。


視線だけが、静かにクレイスを見る。



……まただ。



この二人。


会話してるのに。


全然違うもの見てる感じがする。



その時だった。



「バルツァー」


低い声。



グリードが、慌てて姿勢を正す。


「は、はい!」



ケッヒル大佐が短く言う。


「お前も準剣士として第7へ編入する」


「装備を受領しろ」



グリードの目が、一瞬見開かれる。



だが、すぐに。


ニヤリと笑った。



「……了解っす」



なんか嬉しそうだなお前。



「東嶺の三名については、こちらで話を通しておく」



ケッヒル大佐の言葉に。


ミオが、ほっと息を吐いた。



アルスは、軽く肩をすくめる。


「いやぁ、国際問題にならなくて良かったねぇ」



レオンが呆れた顔をする。


「少しは緊張感を持て」



爽やかな笑顔で、アルスは言葉を送り出す。


「持ってるよ」


「これでもね」



……全然そう見えねぇ。



フィナは、まだ俺の隣から動かなかった。


セレーナも、その後ろに立っている。



なんかもう。


このまま一緒に来そうなんだけど。



ケッヒル大佐が、ゆっくり口を開く。


「出発は夜明け前だ」



低い声だった。



「第7歩兵隊、全隊出征」



その瞬間。


本軍兵士たちの顔つきが変わった。

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