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貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


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王殺し

お読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

「……記憶封鎖か」


低い声だった。



意味が分からない。



「いや待ってください」


「記憶封鎖ってなんですか」



ケッヒル大佐は答えない。



代わりに。


クレイスが、静かに口を開いた。


「重大な案件において、ごく稀に用いられる処置です」


銀のレンズが、淡く光る。


「特定記憶の封印」


「あるいは改変」



ちょっと待て。


さらっと怖ぇこと言うな。



ミオの顔が引きつる。



「いやいやいや」


「そんなこと、本当に出来るんですか?」



「理論上は」


クレイスは淡々としていた。



理論上で済ませる話じゃねぇだろ。



レオンが、低く聞く。


「だが、誰がそんなことをする」



その瞬間だった。


ケッヒル大佐の目が、わずかに細くなる。



……初めてだった。



この人が。


露骨に何かを嫌がったの。



クレイスも気づいたらしい。


銀のレンズが、静かにそちらを向く。


「大佐」


「あなたは、何を知っているのです?」



短い沈黙。



やがて。


ケッヒル大佐が、低く口を開いた。


「……二十年前」


「旧王都陥落の際、“王殺し”と呼ばれた男がいた」



部屋が静まり返る。



グリードが、小さく呟く。


「王殺し……」



ケッヒル大佐は続けた。


「旧王家最後の王を討った重臣だ」


「だが――」



そこで言葉が切れる。



レオンが、腕を組んだまま低く聞く。


「聞いたことがない話だな」



「記録から消えた」


ケッヒル大佐が答える。


「自ら消した」



誰も、すぐには口を開かなかった。



いや。


待て。


待て待て待て。



なんでそんな話になってんだ。



クレイスが、静かに聞く。


「その人物が、今回の件と関係していると?」



アルスが口を開く。


「エイゼン君が、旧王家の血統ってことなんじゃないの?」


「王殺し?」


「話が見えないなぁ」



ケッヒル大佐は、しばらく黙っていた。


鋭い目だけが、こちらを見る。



……なんだよ。


その目。


怖ぇぇよ。



やがて。


「……まだ早い」


低い声だった。



クレイスの銀のレンズが、わずかに細められる。



レオンも、何かを考え込んでいる。



フィナは、まだ俺の手を握ったままだった。


小さな手が、少し汗ばんでいる。



リシェルまで、不安そうに俺を見ていた。




……いや。


俺のことじゃ?


完全に置いてかれてるんだけど。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


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