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貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


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消えた採掘区

お読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

いや。


待て待て待て。



「俺、そこに住んでましたけど……」


思わず言い返す。



ケッヒル大佐は、ゆっくりこちらを見た。


鋭い目。



その視線だけで、変な汗が出る。



クレイスが、静かに確認する。


「記憶違い、という可能性は」



「ないです」


即答。



「採掘区の坑道も覚えてますし」


「冬はクソ寒くて」


「食糧は少ねぇし」


「両親と、あと姉と妹と、あそこで暮らしてました」



言いながら。


少しずつ、気味が悪くなってくる。



……なんだよ。



なんでそんな顔する。



レオンが、低く呟いた。


「壊滅後に再建された可能性は?」



クレイスが首を振る。


「記録上、第五採掘区は封鎖されたままです」


「住民の再定住記録も存在しません」



ミオの顔が青くなる。


「じゃ、じゃあ……」



ちょ、ちょっと待て。


頭が回らない……。


夢かこれは。



グリードまで、笑えなくなっていた。


「……おい」


「マジでどうなってんだよ」



フィナは、まだ俺の手を握ったままだった。


その小さな手は。


少しだけ震えていた。



リシェルまで、不安そうに俺を見ていた。



セレーナが、小さく息を吐く。


「……シュトック」


「あなた、自分の家族のこと覚えてる?」



「は?」



なんだその質問。



「覚えてますよ」


「姉と妹がいて――」



そこまで言って。



言葉が止まる。



……あれ?



ふと。



違和感が走った。



「どうしました」


クレイスの声。



俺は、無意識に額を押さえる。



「いや……」



思い出せる。



思い出せる、はずなのに。



「顔が……」



全員の視線が集まる。



喉が乾く。



「姉貴と妹の顔、うまく思い出せねぇ……」



誰も、すぐには口を開かなかった。



クレイスの銀のレンズだけが、静かにこちらを見ている。



その時だった。



ケッヒル大佐が、低く呟く。


「……記憶封鎖か」

ここまで読んでいただきありがとうございます!


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