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貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


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夜風

お読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

地下記録庫を出た時には。


もう、外は夜になっていた。



ひんやりした風が吹く。



……なんか、やっと息できる。



地下の空気、重すぎた。



王城内は、妙に慌ただしかった。


本軍兵士たちが、各所を走っている。



封鎖。


閲覧権限。


内部調査。



どう考えても、普通じゃない。



「……シュトック」


リシェルの声。



隣を見る。


まだ少し、不安そうな顔をしていた。



「大丈夫?」



「……まぁ、なんとか」



正直。


全然なんとかなんかじゃない。



脇腹は痛ぇし。



頭も重い。


情報量が多すぎる。



フィナも、まだ俺の服を掴んだままだった。



セレーナが、小さく息を吐く。


「今日は、もう休ませた方がいいんじゃない?」



珍しく。


少しだけ、俺を気遣うみたいな声だった。



その時。



「エイゼンシュタイン」


低い声。


ケッヒル大佐だった。



振り返る。


鋭い目が、こちらを見ている。



「しばらく、お前には本軍宿舎側で待機してもらう」


「いいか。単独行動は禁止だ」



「えぇ……」


思わず声が漏れる。



4、5日前まで見習いだった俺が、本軍宿舎って……。



グリードまで、ちょっと引いていた。


「お前、完全に巻き込まれてんな……」



ほんとそれ。



アルスが、面白がるでもなく呟く。


「その方が安全だろうねぇ」


「今の状況なら」



笑えない。



その時だった。



遠くから。


慌ただしい足音が響く。



本軍兵士が、一人。


こちらへ駆けてきた。


息が荒い。



「ケッヒル大佐!」



全員の空気が変わる。



兵士が、息を整える。


そして。



「南門外の封鎖区域で――」



喉が鳴る。



兵士が、顔を強張らせたまま続けた。



「巡回兵二名が、行方不明です」

ここまで読んでいただきありがとうございます!


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