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貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


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お読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

「侵入だ!!」


声が割れる。



観覧席が崩れるように動く。


悲鳴。


足音。


怒号。



「下がれ! 一般は退避だ!」


教官の声。


でも、統制が取れていない。



「……ちっ」


息を吐く。



うるさい。


でも。


頭の中だけ、妙に静かだ。



「エイゼン!」



グリード。


血を流したまま、立っている。


歯を見せて笑う。



「外だな」



「みたいっすね」


軽く返す。



その横。



レオンが剣を払う。


光の中で、刃にわずかな色が揺れる。


無駄のない動き。



金の髪が光を弾く。


場違いなほど、整っている。



「行くぞ」



迷いがない。


その一言で、空気が締まる。



「おい、マジで行くのかよ」


グリードが笑う。



「当たり前だ」


レオンは止まらない。



その奥。



カイゼル。



黒髪。


表情がない。



ただ、外を見ている。



すでに。


意識は、こっちにない。



「……」



一歩。


もう動いてる。



「……はぁ」


息を吐く。



ほんと。



そういう連中だよな。



「リシェル」



振り向く。



柔らかな金色の髪が、少し乱れている。


呼吸は浅い。


それでも、目は落ちていない。



「……行くの?」



「どうします」


聞き返す。



一瞬。


迷う。



ほんの一瞬だけ。



「……行く」



小さく。


でも、はっきり。



「回復、回せる?」



「無理しなければ」



「無理するでしょ」



「するね」


少しだけ、笑う。



――大丈夫だな。



そのとき。



「……」



視線。



石柱の影。



ケッヒル。



腕を組んだまま、動かない。


目だけが、こっちを見る。



「行きます」


小さく言う。



返事はない。



ただ。


ほんのわずか。


頷く。



それだけで、十分だった。



足を踏み出す。


崩れた入口を抜ける。



外。



空気が違う。



土の匂い。


煙。



遠くで、何かが燃えている。



「……うわ」


グリードが呟く。



外壁の向こう。



人が倒れている。


兵士たち。



「マジかよ……」



さっきまでの試験場とは、別の場所だ。



「来るぞ」


レオン。



その瞬間。


影が動く。


屋根の上。



黒。



東の剣士じゃない。



もっと雑だ。



「……誰だよ」



答えはない。



降りてくる。


速い。


荒い。



「ちっ」



踏み込む。


ズラす。


崩す。



――間に合う。



刃が触れる。



重い。



「……違うな」


さっきまでと。



動きが違う。



雑だ。


でも。



「マジで倒しに来てるだろ」



そのまま。


踏み込む。



「――フィネア」



ザンッ――!!



斬る。


手応えが、変わる。



――初めてだ。


はっきりと。



「……っ」


息が詰まる。



今までと、違う。


重さが、違う。



「エイゼン!」


リシェルの声。


「後ろ!」



振り向く。



もう一体。


来ている。



「……はは」


笑う。



なんだよ。


結局。


やること、同じじゃねえか。



「めんどくせえな」



でも。


足は止まらない。



「……行くしかねえか」



踏み込む。


外。


煙の向こう。


さらに奥。



――まだ、いる。



「……来いよ」


小さく呟く。



もう。


試験じゃない。



戦場だ。

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