表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/61

届かない距離

お読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

「……終わったか」



試合のざわめきが、まだ残っている。


でも。


頭の中は、静かだ。



勝った。


でも。


正直、ギリギリだ。



「……余裕ねえな」


グリード。



「そりゃそうっすよ」


軽く返す。



でも。


視線は、別の場所。



「……」



カイゼル。



さっきの試合のあと。


もう、普通に立ってる。


息も乱れてない。


汗も、ほとんどない。



「……化け物かよ」


小さく呟く。



そのとき。



「呼んでいる」


声。


レオン。



「は?」



「行け」


顎で示す。



その先。


カイゼル。



……は?



「いやいやいや」


「なんで俺」



「知らん」


即答。



「だが」


少しだけ、目が細くなる。


「行け」



……はぁ。


「めんどくせえな」



ぼそっと言って。


歩き出す。



距離が縮まる。


一歩。


また一歩。



「……」



近づくほどに。


わかる。



違う。


空気が。



重いわけじゃない。


圧があるわけでもない。



でも――



「……なんだよ、これ」


言葉にならない。



「来たか」


カイゼルが言う。



振り向く。


視線が合う。



「……どうも」



とりあえず言う。


何言えばいいかわかんねえし。



「……」



何も返ってこない。


ただ、見られている。



値踏み。


いや。


違う。



「……」


観察されてる。



「……なんすか」


思わず言う。



「いや……」



「呼ばれたって聞いたんすけど」



「呼んでいない」



は?


「……じゃあなんで」



「興味があった」



それだけ。


あっさり。



「……はあ」


なんだそれ。



「お前」


カイゼルが言う。


「崩したな」



……やっぱりそこか。



「まあ、ちょっとだけ」



「遅い」


即答。



カチンとくる。



「いやいやいや」


「昨日できなかったことなんで」



「普通はもっと遅い」


「だが」



一瞬だけ、間。


「お前は早い」



……は?

なんだよ。遅いとか早いとか。


「……どういう意味っすか」



「気づいている」


それだけ。



「何に」



「変わらないことに」



……っ


言葉が詰まる。



リシェル。


レオン。


さっきの試合。


全部、繋がる。



「……まあ」


なんとか返す。


「そこは」



「で?」


カイゼルが少しだけ近づく。


「どうする」



「……どうするって」



「崩し続けるか」


「戻るか」



……は?



「戻る?」



「安定する」


「だが、止まる」



「崩す」


「不安定になる」


「だが、伸びる」



淡々と。


言葉が落ちてくる。



「……」



選択?


そんなの――



「決まってるでしょ」


即答。


「崩しますよ」


迷いない。



「……」



カイゼルが、ほんの少しだけ目を細める。


「そうか……」


それだけ。



立ち去ろうとする。



だが。


振り向く。


「次で終わる」



……は?



「何が」


思わず聞く。



「試験だ」


それだけ言って。


歩いていく。



小さくなっていく背中。


……遠い。



「……なんだよ、それ」


意味わかんねえ。



でも。


「……終わるって」



胸の奥が、少しだけざわつく。


ただの試験じゃない。


そんな気がする。



「……はぁ」


息を吐く。



「……やるしかねえな」


今度は、はっきりと。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


少しでも面白いと思っていただけたら、


・ブックマーク

・評価(☆☆☆☆☆)

・感想


などいただけるととても励みになります!


今後も更新していくので、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ