崩す剣
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「――エイゼンシュタイン」
呼ばれる。
「……はい」
前に出る。
さっきとは違う。
軽くない。
でも。
重すぎもしない。
「……」
相手。
東の剣士。
静かに構えている。
同じだ。
でも。
「……やるしかねえか」
小さく呟く。
逃げない。
もう。
「始め」
来る。
速い。
見える。
でも。
「……変える」
一歩。
踏み込む。
今までと違う。
“いつもの軌道”を、外す。
ズレる。
自分でもわかる。
雑だ。
汚い。
でも――
カンッ!!
当たる。
「……っ?」
相手の目が、わずかに動く。
初めて。
「……」
もう一度。
来る。
速い。
でも。
「……外す」
ズラす。
軌道を。
少しだけ。
スッ――
避ける。
振る。
カンッ!!
浅い。
でも。
届く。
「……」
空気が変わる。
さっきまでと違う。
“読まれてない”
「……これか」
小さく出る。
体が、不安定だ。
でも。
自由だ。
「っ!」
相手が踏み込む。
速い。
鋭い。
でも。
「……遅い」
今度は言える。
ズレる。
崩す。
無理やりじゃない。
“選んで外す”
カンッ!!
弾く。
崩れる。
一瞬。
隙。
「……そこ」
踏み込む。
振る。
――ドンッ!!
倒れる。
静寂。
「……そこまで!」
声。
「勝者、エイゼンシュタイン!」
歓声。
でも。
遠い。
それより。
「……はぁ」
息が荒い。
疲れる。
めちゃくちゃ。
「……今の」
グリードの声。
「なんだそれ」
「……わかんねえっす」
正直。
でも。
「変えた」
それだけはわかる。
「……」
レオンが近づく。
じっと見る。
「崩したな」
「まあ、なんとか」
「……まだ粗い」
はいはい。
「だが」
一瞬だけ。
口元が緩む。
「悪くない」
……珍しいな。
そのとき。
視線。
上。
シン。
見ている。
今までと違う。
少しだけ。
興味。
「……」
目が合う。
今度は。
さっきと違う。
“見られてる”
「……まだっすよ」
小さく呟く。
自分に向けて。
でも。
止まらない。
もう。
戻れない。
「……次だな」
グリードが言う。
「ああ」
頷く。
まだ。
終わってない。
むしろ。
ここからだ。
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