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貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


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距離

お読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。


「……三日って早すぎるだろ」


グリードがぼやく。



「同感っす」


準備も何もない。


いや、あるにはあるけど。


足りない。


圧倒的に。



「まあ、やるしかねえけどな」



軽いなあ。



「お前、余裕あるだろ」



「ねえよ」


即否定。



「あるように見えるだけだ」



……それはちょっとわかる。



でも。


「まあ、ないっすよね」



あいつらの顔を思い出す。


門の前で見た。


東の剣士。



あの目。



「……なあ」


グリードが声を落とす。


「見に行くか?」



「またっすか」



「今度は正面からだ」



いや、それ怒られるやつ。



でも。


「……ちょっとだけ」


結局行く。



訓練場の端。


そこに、いた。



東の剣士たち。


数人。



静かに構えている。


誰も喋っていない。


音がない。



ただ――


剣だけが動いている。



「……」



違う。



明らかに。


振り方も。


間も。


空気も。



「なんだ、あれ」


グリードも気づいている。



重い、とかじゃない。


鋭い、とかでもない。



もっと――


静かだ。



その中の一人。


黒い装束。


昨日のやつ。


あいつが、ゆっくりと剣を振る。



スッ――



音がしない。


なのに。


空気だけが、切れる。



「……」



目が離せない。



「興味があるのか」



声。


すぐ近く。


振り向く。



黒。


いつの間に。



「……別に」


反射で返す。



「そうか」



淡々としている。


感情が見えない。



「貴様」


俺を見る。


「選ばれたな」



……は?



「なぜ知ってる」


グリードが警戒する。



「見ていた」


それだけ。



「弱い」


ぽつりと。



……は?



「今のままでは」


続ける。


「話にならない」



カチンとくる。



「……言ってくれますね」



「事実だ」


一切ブレない。



「お前の剣は」


少しだけ近づく。



「固い」



……それ、またかよ。



「変わらない」


「だから」


「斬れる」



ゾクッ



一歩引く。


無意識に。


今の。


何もしてないのに。



「……っ」


息が詰まる。



「怖いか」



「……別に」


強がる。



でも。


正直。


少しだけ。



「だろうな」


あっさり。



「まだ遠い」



ぽつりと。


それだけ言って。


離れる。



「……なんだよあいつ」


グリードが吐き捨てる。


「感じ悪すぎだろ」



「……」



返せない。


悔しいとかじゃない。



もっと。


根本的な何か。



「おい」


グリードが肩を叩く。


「気にすんな」


「まだ三日ある」



……三日。



たった三日。



「……足りねえだろ」


本音が出る。



「まあな」


あっさり。



「でもやるしかねえ」



それも、そうだ。



そのとき。



「――ずいぶん余裕だな」


声。


レオン。



「見に来てたのか」



「当然だ」


腕を組んでいる。



「どう思う」


グリードが聞く。



「強い」


即答。


「だが」



少しだけ間。



「勝てない相手ではない」



……出たよ。


その自信。



「根拠は?」


思わず聞く。



「ない」



は?



「だが」


少しだけ笑う。


「勝つ」



……ほんと、ブレねえな。



でも。


「……まあ」


その言葉。


嫌いじゃない。



「やるしかねえか」



もう一度言う。


さっきより。


少しだけ、重く。




黒い剣士の言葉。


頭に残る。



――固い


――変わらない


――斬れる



「……っ」


棒を握る。


強く。



「崩す」


小さく呟く。



今度は。


自分の意志で。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


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