表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/26

崩れない剣

「……はぁ」



壁にもたれて座り込む。


訓練終わり。


いや、“終わった”っていうか――


潰されたって感じか。



「……なんだよ、あれ」



思い出す。


カイゼル。


見えなかった。


一瞬も。



「いやいやいや」


思わず頭を抱える。



「見えてたはずだろ、俺」


今まで全部見えてた。


レオンも、グリードも。



なのに。



「なんでだよ……」


悔しい、っていうより。


意味がわからねえ。




「――ここにいたんだ」


声。



顔を上げる。



リシェル。



「……どうも」


正直、今あんまり元気に返す気になれない。



「顔、ひどいよ」



「ほっといてください」



「無理」



即答かよ。



「手、出して」



「あー、はいはい」



言われるまま出す。


触れられる。


じんわり、温かい。



「……これほんと助かるな」



「でしょ」


少しだけ笑う。


「無理したでしょ」



「してないっすよ」



「嘘」



即バレ。



「……まあ、ちょっとは」



「ちょっとじゃないね」



はいはい。



「負けたの?」



「……」


聞くなよ。



「まあ、はい」



「カイゼルでしょ」



「……なんでわかるんすか」



「顔でわかる」



そんなわかりやすいか俺。



「有名なんすか、あいつ」



「うん」



やっぱりかよ。



「でもね」


少しだけ考えるように言う。



「“強い”っていうより――」


「変なんだよね」



「……は?」


なんだその評価。



「うまいとか、そういうのじゃなくて」


「相手に合わせて、剣が変わるの」



「……」



思い出す。


俺の一撃。


完全に、止められた。



あれは――


読まれたんじゃない。


合わせられた。



「あなたの剣はね」


俺の手を軽く持つ。


「すごく綺麗」



またそれか。



「でも」


「ずっと同じでしょ?」



「……まあ」


否定できない。



「形が崩れない」


「それってね」



少しだけ間を置く。


「止まってるってことなの」



「……」



言われて、少しだけ引っかかる。


止まってる。


俺の剣が?



「カイゼルは違うよ」


「形がないの」


「その場で変わる」


「だから、読めない」



……ああ。


それか。



「じゃあ俺のは」



「読める」


即答。



ぐさっと来るな、それ。



「……なるほどな」


思わず笑う。



「そりゃ勝てねえわ」


あんなの、最初から条件が違う。



「でも」


リシェルが少しだけ笑う。



「悪いことじゃないよ」



「は?」



「だって、それがあるから変われる」



なんだそれ。



「普通はね」


「そこまで“固まらない”の」


「でもあなたは、ちゃんと形がある」



「だから――」


「崩せる」



……いやいやいや。



「なんで壊す前提なんすか」


思わずツッコむ。


「せっかくできてるのに?」



「うん」


あっさり。



「だから壊すの」



さらっと言うなよ。



「怖い?」



「……」


少しだけ考える。


正直に言うと。


「まあ、ちょっとは」



「だよね」


優しく笑う。



「でも」


「それ壊せる人だけが、変われる」



……はぁ。


ほんと、面倒な話だな。


完成して、壊して、また作るとか。


効率悪すぎだろ。



でも。


「……やるしかねえか」


自然に出る。


逃げても意味ねえし。


どうせここまで来たんだ。



リシェルが、少しだけ嬉しそうに笑う。


「うん」


「その顔、好き」



「それよく言いますよね」



「好きだから」



……なんだこいつ。


調子狂うな。



でも。


さっきまでよりは――


ちょっとだけ、マシだ。



「……少しはわかった気がする」



立ち上がる。


まだ終わってない。


むしろ――


ここからだ。



「……めんどくせえけど」


それでも。


「やるしかねえな」

ここまで読んでいただきありがとうございます!


少しでも面白いと思っていただけたら、


・ブックマーク

・評価(☆☆☆☆☆)

・感想


などいただけるととても励みになります!


今後も更新していくので、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ