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貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


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第一保護区

お読みいただきありがとうございます!


第二部の北部編に入りましたが、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです。


今後ともよろしくお願いいたします。

夜明け前。


まだ。


空には星が残っていた。


宿の扉が。


静かに開く。


冷たい空気が。


頬を撫でた。



ケッヒル大佐は。


北を見上げる。


「出るぞ」


短い号令。



全員が。


荷を背負う。


俺も。


剣の柄を握り直した。



町は。


まだ眠っている。


石畳を踏む音だけが。


静かに響く。


やがて。


最後の家を過ぎる。



北部の森が。


目の前に広がった。


朝露に濡れた草。


白く揺れる霧。


鳥の鳴き声。


昨日までとは。


違って見える。


この森の奥に。


答えがある。


そう思うだけで。


胸が自然と高鳴った。



リシェルが。


小さく笑う。


「迷子にならないでね」



「……当たり前だろ」


思わず答えると。


レオンが吹き出した。



少しだけ。


張り詰めていた空気が和らぐ。



だけど。


先頭を歩くケッヒル大佐は。


一度も足を止めない。



クレイスは。


地図を片手に。


周囲の地形を見比べていた。


「もうすぐです」


そう言って。


足を止める。



目の前には。


石積みの壁。


崩れてはいるが。


人の手で築かれたものだと。


すぐに分かった。



壁の向こうへ回る。


そこには。


広い空き地があった。


建物はない。


煙もない。


人の気配も。


ない。


風だけが。


乾いた草を揺らしている。



「ここが……」


リシェルが。


息を呑む。



クレイスが。


静かに頷いた。


「第一保護区です」



俺は。


辺りを見渡す。


想像していた避難所とは。


違う。


あまりにも。


何も残っていなかった。



グリードが。


しゃがみ込む。


土を指先で払う。


「……石畳か」



草に埋もれていたのは。


古い道だった。


一直線に。


北へ伸びている。



クレイスも。


膝をつく。


銀のレンズを当てる。


「荷車の轍です」


「古いものですが」


「一本ではありません」


「何度も」


「往復しています」



俺は。


その道を見つめた。



第五採掘区から。


ここまで来た。



そして。


ここから先へ。


子どもたちは。


連れて行かれた。



その時だった。



リシェルが。


小さく声を上げる。


「これ……」



全員が。


振り向く。


彼女の足元。



草に隠れていた石柱。


半分以上。


土に埋もれている。


そこには。


見覚えのある紋章が。


静かに刻まれていた。



ヴァルムーア。



俺たちは。


顔を見合わせる。



やはり。


第一保護区は。


終点ではなかった。



ここは。


まだ。


通過点だった。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


少しでも面白いと思っていただけたら、


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などいただけるととても励みになります!


今後も更新していくので、よろしくお願いします!

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