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貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


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繋がる記録

お読みいただきありがとうございます!


第二部の北部編に入りましたが、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです。


今後ともよろしくお願いいたします。

ケッヒル大佐たちが。


戻ってきた。


宿の一室へ。


全員が集まる。



クレイスが。


静かに口を開いた。


「まず」


「こちらから報告します」



石室。


第五採掘区の印。


ヴァルムーアの紋章。


子どもたちの移送記録。


名簿。


そして。


俺たち兄妹の名前だけが。


そこから消えていたこと。



誰も。


軽々しく口を開かなかった。



話し終えると。


今度は。


レオンが前へ出る。


「町で」


「話を聞いてきた」


「年寄りばかりだったが」


「共通していたことがある」



全員の視線が。


集まる。



「火災の前」


「夜になると」


「子どもだけを乗せた荷馬車が」


「何度も」


「北へ向かったらしい」



俺は。


思わず。


クレイスを見る。



クレイスは。


黙ったまま。


考えている。



レオンは。


続ける。


「一度じゃない」


「何度も見た」


「そう証言していた」



クレイスが。


静かに尋ねる。


「荷馬車の台数はわかりますか?」



「はっきりした数は」


「誰も覚えていない」


「でも」


「一晩では終わらなかった」



クレイスが。


小さく頷く。


「つまり」


「一度の避難ではありません」



誰も。


口を挟まない。



「火災を受けて」


「逃げたのではない」


「火災より前から」


「子どもたちだけを」


「移送していた」


「可能性が高いでしょう」



その言葉が。


静かに落ちる。



リシェルが。


小さく呟いた。


「どうして」


「子どもだけ……?」



クレイスは。


首を振る。


「まだ」


「分かりません」


「ですが」


「移送記録と」


「町の証言は一致しました」


「偶然ではありません」



俺は。


名簿を思い出す。


そこに。


俺たち兄妹の名前だけが。


なかった。



偶然。



そう思いたかった。


でも。


もう。


そうは思えない。



その時。


ケッヒル大佐が。


革袋から。


古い羊皮紙を取り出した。


「俺たちは」


「これを見つけた」



机へ広げる。


北部の古地図だった。


今の地図とは。


少し違う。


消えている集落。


残っている街道。


古い境界線。



クレイスが。


銀のレンズを向ける。


「これは」


「軍の保管資料ですか」



「ああ」


「軍用地図だ」


「封印指定だった」



封印指定。


その言葉に。


全員の視線が集まる。



クレイスも。


持ち帰った地図を。


その隣へ並べた。


銀のレンズが。


二枚を見比べる。



「第五採掘区」


「第一保護区」


「移送経路」


「ここまでは」


「一致しています」



皆が。


地図を覗き込む。



確かに。


赤い線は。


同じ場所を。


通っていた。



だが。


クレイスの指が。


止まる。


「違うのは」


「ここです」



第一保護区。


その印の先。


ケッヒル大佐の持ち帰った地図には。


小さな印が。


一つだけ。


描かれていた。


クレイスの地図には。


ない。



クレイスが。


銀のレンズを近づける。


「文字は」


「判読できません」


「意図的に」


「削られています」



ケッヒル大佐が。


腕を組む。


「俺たちも」


「そこまでは」


「辿り着けなかった」



再び。


沈黙が落ちる。



石室。


町の証言。


軍の地図。



別々に集めた情報が。


一つへ。


繋がっていく。



第五採掘区。


子どもたちの移送。


第一保護区。



そして。


その先。



クレイスは。


静かに。


銀のレンズを外した。



誰も。


口を開かない。



二枚の地図。


違っていたのは。


たった一か所。



その意味は。


まだ。誰にも。


分からなかった。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


少しでも面白いと思っていただけたら、


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今後も更新していくので、よろしくお願いします!

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