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貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


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返して

お読みいただきありがとうございます!


第二部の北部編に入りましたが、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです。


今後ともよろしくお願いいたします。

俺たちは。


一斉に。


木の向こうを見た。



誰もいない。



風だけが。


葉を揺らしていた。



静かだった。


鳥の声も。


虫の羽音も。


聞こえない。



「……」


リシェルが。


俺を見る。



俺は。


小さく首を振った。



違う。


聞こえた。


確かに。


子どもの声だった。



クレイスは。


何も言わない。



ゆっくりと。


木の向こうへ歩く。


慎重に。


足元を確かめながら。



俺たちも続く。



木の裏側。


何もない。


落ち葉。


苔。


古い根。


それだけだった。



リシェルが。


小さく呟く。


「誰も……」



その時。



カラン。



鈴の音。



今度は。


さっきより近い。



反射的に。


振り向く。



木々の間。


白いものが。


揺れた。



小さい。


子ども。



そう思った。



瞬きをする。


消えた。



「……いた」


思わず。


口から漏れる。



リシェルも。


目を見開いていた。


「私も」


「見えた」



クレイスだけは。


白い影を追わなかった。



視線は。


地面へ向いていた。


「……」


銀のレンズが。


静かに光る。



俺も。


その視線を追う。



そこには。


小さな足跡。



さっきまで。


巨大な木で。


消えていた。


その足跡が。


木の向こう側から。


また。


続いていた。



「……そんな」


リシェルの声が。


震える。



足跡は。


森の奥へ。


続いている。


まるで。


最初から。


そこで。


歩き始めたみたいに。



俺は。


巨大な木を振り返る。



子どもは。


どこへ行った?


どうやって。


木の向こうへ。


移った?



何も。


分からない。



クレイスが。


静かにしゃがみ込む。


銀のレンズ越しに。


足跡を見つめる。



「途切れていません」


短く。


そう言った。



俺は。


眉をひそめる。


「でも」


「木の手前で」


「消えたぞ」



クレイスは。


小さく頷く。


「はい」


「ですが」


「こちら側にも」


「同じ足跡があります」



「同じ……?」



「大きさ」


「歩幅」


「足の向き」


「一致しています」



森の空気が。


少しだけ。


重くなる。



リシェルが。


俺の袖を握る。


「シュトック……」


不安そうだった。



俺も。


同じだった。



頭では。


分かっている。


こんなこと。


あるはずがない。



それなのに。


目の前には。


確かに。


続きの足跡がある。



その時。



カラン。



また。


鈴の音。



今度は。


森の。


もっと奥から。


聞こえた。



俺たちは。


顔を見合わせる。



そして。


誰からともなく。


その足跡の先へ。


歩き始めた。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


少しでも面白いと思っていただけたら、


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今後も更新していくので、よろしくお願いします!

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