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貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


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鐘の噂

お読みいただきありがとうございます!


第二部の北部編に入りましたが、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです。


今後ともよろしくお願いいたします。

宿屋の食堂は。


思っていたより。


静かだった。



酒を飲む者も。


いる。


だが。


笑い声は。


聞こえない。



俺たちは。


一つの卓を囲んでいた。



クレイスが。


地図を広げる。



「明日から」


「本格的に」


「北部の調査を始めます」



レオンが。


頷く。



「宿場町周辺からか」



「ええ」


「まずは」


「情報を集めます」



ケッヒル大佐が。


腕を組む。



「不用意に」


「散るな」


「必ず」


「二人以上で動け」



「了解です」



レオンが答える。



グリードが。


笑う。



「俺は」


「腹が減る前に」


「戻ってくる」



ヴェルナが。


呆れたように笑う。



「そこじゃないでしょ」



食卓に。


小さな笑いが生まれる。



ルーも。


穏やかに微笑んだ。



張り詰めていた空気が。


ほんの少しだけ。


和らぐ。



その時。


隣の卓から。


声が聞こえた。



「また」


「鐘だとよ」



誰かが。


小さく舌打ちする。



「聞きたくもねぇ」



別の男が。


低く答えた。



「鐘が鳴る夜は」


「誰かが」


「いなくなる」



食堂が。


静まり返る。



宿の主人が。


料理を運びながら。


小さく言った。



「その話は」


「やめてください」


「客が」


「怖がります」



男たちは。


黙る。



誰も。


続きを。


口にしなかった。



クレイスは。


静かに。


男たちを見る。



何も聞かない。


今は。


話しかける時ではない。


そう判断したのだろう。



俺は。


無意識に。


左脇へ。


手を当てた。



まだ。


痛む。



あの日。


巡礼路で。


聞いた鐘。



胸の奥が。


ざわつく。



その時。



「シュトック」



小さな声。


フィナだった。


心配そうに。


俺を見ている。



「大丈夫?」



俺は。


小さく笑う。



「少し」


「思い出しただけだ」



フィナは。


安心したように。


頷いた。



その様子を。


リシェルは。


静かに見つめていた。



クレイスが。


ゆっくり。


地図を閉じる。



「明日」


「確かめましょう」


「この町で」


「何が起きているのか」



食堂には。


再び。


静かな時間だけが。


流れていた。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


少しでも面白いと思っていただけたら、


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今後も更新していくので、よろしくお願いします!

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