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貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


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帰る場所

お読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

フィナは。


まだ。


俺の服を離さなかった。



「フィナ」


俺は。


少し困ったように笑う。


「もう」


「大丈夫だ」



フィナは。


何度も。


首を横へ振る。


「違うの」



震える声。


「ずっと」


「分かってたの」


「シュトックなら」


「帰ってくるって」



一度。


言葉を切る。



「でも……」


「会うまでは」


「怖かった」



静かだった。


王都の喧騒だけが。


遠くで聞こえている。



俺は。


そっと。


フィナの頭へ手を置いた。


「ただいま」



フィナは。


泣きながら笑う。


「おかえりなさい」



その一言で。


胸の奥に残っていた。


あの声が。


ふと重なった。



――『おかえり』



俺は。


思わず。


巡礼路の方角を見た。



もう。


見えるはずもない。



「……シュトック?」


リシェルが。


不思議そうに俺を見る。



「いや」


「何でもない」


俺は。


小さく首を振った。



その時だった。



「フィナ」



静かな声。


フィナの肩へ。


そっと手が置かれた。



フィナが。


振り向く。


「お姉様……」



セレーナだった。



穏やかに。


フィナを見る。



「もう」


「そのくらいにしておきなさい」



フィナは。


少し照れたように。


俺から離れた。



セレーナは。


今度は。


俺へ向き直る。


王女らしく。


静かに一礼した。



「改めまして」


「ご無事で何よりです」


「エイゼンシュタイン殿」



俺も。


頭を下げる。



「ありがとうございます」



セレーナは。


小さく微笑む。



「詳しいお話は」


「後ほど伺います」



その言葉に。


クレイスが。


一歩前へ出た。


「殿下」


「私からも」


「お願いがあります」


「巡礼路で起きたことを」


「皆様へ」


「お話ししたく存じます」



セレーナは。


静かに頷く。



「承知しました」


「城へ参りましょう」



ケッヒルが。


腕を組む。


「ちょうどいい」

「俺も」


「聞いておきたいことがある」



レオンも。


黙って頷いた。


俺たちは。


王城へ向かった。

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