探偵塾始動 2
「4は4レターコードむなややは画面にあった英字の12キーで打つとRJTT……羽田空港のコード番号。1130番は羽田空港国際線1階のCコーナーにある1130番のコインロッカーになる」
止々呂美修也は目を見開き島本蓮司を見た。島本蓮司は頷いて立ち去った。
止々呂美修也は頭を下げ
「情報提供を感謝する。君にもそこにあるものを見る権利がある。今島本に取りに行かせたので待ってもらいたい」
と告げた。
翔は頷き携帯を出すと自身の後ろ盾になっている津村清也に連絡を入れた。
「津村さん、今俺の目の前に警視庁刑事部捜査一課第三係の止々呂美修也警視正がいる。彼を信じて探偵塾を開こうと思う」
津村清也はそれに笑みを浮かべて
「そうか、彼に代わってもらいたい」
と告げた。
止々呂美修也は変わると驚きながら返事をして最後に
「私は自身が警察庁長官になることを望んでいるわけではありません。その暁には貴方の目から見て良い人を選んでもらいたい」
と告げて翔に渡した。
「まさか、その人が関わっていたとは」
翔は不思議そうに止々呂美修也を見つめた。
その実、津村清也については良く分かっていない。ただ父である天埜翔也の知人で
「力になってもらいたい。その代わり君の力になる。ただ君が普通に生きたいならそれを応援しようと思う」
と率直に提案してくれたのだ。
その内容は翔にとって不都合なものではなかった。
また大間のように奪うだけ奪って連絡を絶つようなことはなかった。
暫く翔と止々呂美修也は沈黙を守って島本蓮司を待った。
ホテルの部屋の窓には夜の闇に東京のビル群が浮かび、不夜城を思い出させる様相を見せていた。
人々の喧騒も昼間ほどではないが途絶えることはなかった。
2時間ほど過ぎ去り、夜半を知らせる時刻に島本蓮司は姿を見せた。彼が去る時には持っていなかった黒いバックを手に戻ってきたのだ。
「これが1130のロッカーにありました。携帯のチャージ払いで数日は保管できる状況だったようです。そのチャージ払いの元は彼の言う通りに『山形優一』でした」
現在、山形優一は止々呂美修也の息が掛かった警察官が24時間警護についている。病院の中でも油断は出来ないということだ。
意識不明のまま昏睡状態で彼の母親が見守っている。
止々呂美修也は三人の間にあるテーブルに置かれたカバンを前に
「天埜さん、開けさせていただく」
と翔に断りを入れてチャックを開けた。
中には彼と取引のある東都新報社の紙袋が入っており中から数枚の写真が出てきた。
その一枚を翔は手にすると
「これは」
と呟いた。
止々呂美修也は目を細め
「カヤ土建のアル・カヤと松田貴子と山形優一を襲った実行犯と目している人物の弁護をしている大間弁護士……そして、この人物こそ警察庁長官の岩尾だ」
と松田貴子の動画では映っていなかった一人を指さし告げた。
つまり、カヤ土建は警察の頂点である警察庁長官を抱き込んでいるということだ。
翔の両親の死を隠蔽したのもその力が働いたからだろう。




