運命の接触者 6
翔は止々呂美修也がこれまでの警察官のように隠蔽したり現場に入らさないようにするタイプではないと理解すると
「では、犯人の得になるような情報は一時遮断させてもらいますねー。後で謎解きは伝えます~」
というと動画配信を止めた。
そして、笑みを消し去り表情を一変させると
「俺にダイイングメッセージを解かせるという意味を理解しているという事で良いんですね?」
と告げた。
「俺はそれが貴方がたに不利益をもたらすものでも俺が必要だと思えば公表しますよ」
島本蓮司は横手から見ながら
「恐れ知らずだが大きく時代を動かすにはそういう人物が必要なのかもしれない」
と心で呟いた。
「だが、この事件は圧力のかかった事件だ。警察ではそう言う事件が増えている。どんな理由があっても事件の隠蔽……そんなことが罷り通る警察機構をこれ以上存続させるわけにはいかない。そのダイイングメッセージがそれを切り開く一つになるのなら外部の力を借りるのも悪くない」
……それだけの知識と心根を持っているのなら……
「共闘はあり得る。そう警視正は考えておられるのだろう」
止々呂美修也は正にそう考えていた。
不正や隠蔽を憎む気持ち。金や利権、欲に身を任せて権力を振りかざして人々に不利益を齎す人間を憎む気持ち。
それに立ち向かう勇気と頭脳と行動。
SNS探偵天馬がそういう人間なのかどうか。
それを見極めようと考えていたのだ。
止々呂美修也はポケットから一枚の写真を出すと
「これが解けるかどうか、君が唯の冷やかし野郎か、本当の探偵なのか見分けてやろう」
と告げた。
翔はそれを見ると
「なるほど」
と彼を見た。
「俺は貴方に試されているという訳か」
止々呂美修也は冷静に
「君の探偵としての能力を知りたいと思ってのことだ」
と告げた。
「ただの冷やかしやインプ稼ぎなら我々は徹底的に排除する」
その意味。
そうでなければ
「君の力を借りたい」
と翔の耳元で囁いた。
「警察官の多くは……隠蔽や不正を良しと思っていない」
翔は僅かに警戒心を覚えながらも止々呂美修也を見た。
信じていいのか。それとも罠か。
だが。
「暗号が山形優一のものなら……解いた方が良い。彼は先の俺が明らかにした警察が隠蔽しようとした事件やその後事件として扱われても起訴されなかった事件、起訴されても無罪となった事件などの一覧を公表した人物だ。その人物が襲われ残したダイイングメッセージならその隠蔽しようとした人たちに不利益になる証拠の可能性が高い」
と判断し写真を見た。
写真には倒れていた山形優一の携帯の画面が写っていた。
『4むなやや1130』
英数12キーが下に表示されこの文字が打ち込まれていた。
翔は目を見開くと唇に指先を当てた。
「4むなやや1130」
何を示しているのか分からない。




