運命の接触者 4
翔は目を細めながら
「もしかしてその二人の外国人と言うのは不法滞在者の可能性が? カヤ土建の……従業員」
と告げた。
津村清也は執務室の椅子に座りながら
「そうだ。松田貴子の時に捕まったが起訴されなかった二人だ」
と答えた。
翔は目を見開くと
「分かりました、直ぐに向かいます」
と答え携帯を手にすると部屋を飛び出した。
津村清也は携帯を切り側で控えていた部下に
「確か、警視庁刑事部捜査一課三係長の止々呂美警視正と島本蓮司警視が動き出したという話だな?」
と告げた。
部下は頭を下げながら
「はい、正規ではありませんが……あの一覧の記者だからだと思われます」
と津村清也をチラリとみて
「もしかして天埜様とあの二人を」
と告げた。
津村清也は立ち上がると
「そうだ。私が国家公安委員長になる前に警察庁の膿は出しておきたいのでね」
と告げた。
「表舞台に出るつもりはなかったが……これ以上見過ごすことは出来ない。奴らはやり過ぎた、ということだ」
……岩尾も警察庁長官としての責務を結局5年も顧みることがなかった。そろそろ退場してもらわないとな……
「後釜に良い人物がいなかったが止々呂美修也と島本蓮司、坂本蒼矢と良い芽が出てきている。潰される前に岩尾を潰す」
背後関係も調べなければならないが、今は警察に立ち直ってもらうことが優先だ。と津村清也は呟くと
「前に二人を不起訴にした検察担当者も調べておいてくれ」
と指示を出した。
翔は北千住駅の駐車場にバイクを止めるとラグジュ北千住へと向かい携帯で動画を撮りながら未だ規制線の張られたエントランスへ入ると止めようとしない警察官を横目にエレベーターに乗り込んだ。
警察官は小さく息を吐き出すと
「止々呂美警視正にSNS探偵が来ても止めないようにと言われていたが……まさか本当に来るとは」
とぼやいた。
翔は制止しなかった警察官に違和感を覚えたもののそんな指示が出ていたとは知らずに3階で降り立った。
そして、問題の302号室へと動画を映しながら入った。
「ここが昨夜10時に何者かに襲われ意識不明の重体で見つかった山形優一氏の部屋です」
玄関に入るなりその荒らされぶりに目を細めた。




