捜査立会人 9
天加の表情が一変すると手をスッと上げて
「茶番は止めた方が良いですよ」
と目を細めて口角を上げ、近本忠雄と田村健と全員を見た。
全員が急に雰囲気の変わった天加を見て「「「え?」」」と目を見開いた。
天加は腰に手を当てて不遜に
「先ず、隣の本宮さんをお茶に誘ったのは何故ですか? 大森洋一さんが帰ると連絡を入れていたのだからかち合うと分かっていたんじゃないんですか?」
と大森君子を見た。
「いつ誘ったかは調べればわかります」
大森君子は俯きながら
「それは……急な洋一さんの話だったのでどんな話か不安になって……それに洋介が風呂で溺れた時、私は本当に本宮さんといたんです!」
と訴えた。
天加はハッと苦い笑みを浮かべ
「なるほど、まあ、そうだとしましょう。ですが貴方にも犯行は可能ですよ。浴室を見ました。タイマーついてますよね? タイマーを利用すれば貴方がその場にいなくてもできる。ただ、洋介君が生きるために頑張って大きな音を立てたから耳の悪い本宮さんも気付いた」
と言い
「貴方が自身のアリバイのためと大森洋一さんを陥れるために用意した本宮さんが洋介君を救う形になった」
と告げた。
「本宮さんは物音で気付いて大変なことが起きたとパニックになっていたでしょうし、貴方が蛇口を回して給湯の電源も止めたんでしょ? 何かしていても慌てるだけの本宮さんが気付かない可能性がある」
天加は近本忠雄を見ると
「風呂のタイマーを調べてください」
と告げた。




