全貌 16
「先ず動画に映っていた検事総長の野沼康夫については彼の父親はグローバルクリエイト派遣会社の取引先の企業の一つで取引を始める前は倒産寸前だったが突然資金繰りが良くなり今は安定している。野沼康夫自身も彼の通帳の金の動きを調べたがほぼ動かないのにその間にも分譲マンションを二部屋購入して資産を増やしている」
つまり給料以外の金で生活をしているという事だ。
理人は更に身上書のなかった人物についても
「この野沼康夫の隣りに立っている人物は本宮慎二判事でグローバルクリエイトグループ関係の人間の事件を野沼から9割がた回されている。本宮慎二の不起訴率は他の検事と比べてもダントツ高くグローバルクリエイトグループ案件は全件不起訴にしている」
と先ほどの一覧の不起訴の検事名を指でなぞった。
背後には検事総長がいるのだ。つまり、そういう事なのだろう。
判事に関しても同じような構造でグローバルクリエイトグループの人間を『本人が認知しているかどうか疑わしい』などの理由を元に偽造通貨行使罪を無罪にしたりしてSNSで叩かれている金本佐代子判事や暴行罪を『現場を抑えた訳ではない。付着した体液のDNAだけでは行ったか疑わしい』として無罪にした坂口由利子判事も映っており、その後ろには同じように動画に彼女たちと共にいた大本瑞夫がグローバルクリエイトグループの案件の9割を回していた。
さらに前警察庁長官の岩尾としおはそこに集っている殆どの人物が経緯を知っており、現警察庁長官の止々呂美修也が岩尾としおを天埜翔などと協力して退任に追い込んだのだ。
理人は動画に映っていた弁護士協会長と副会長についても同じように彼らの調べられる通帳に動きはないのに生活を行い資産が増えていると通帳のコピーと資産の一覧を置いて説明した。
「そして、この3名は現在の民放協同組合長と副長、この人物は民放で多大な力を持つ林純一郎だ。彼らは『差別に繋がらない報道』という事で『日本人以外の人間について』は国籍も名前も伏せて報道するように提唱をしている。彼らの金の動きも全く同じで背後で動いている金はかなりの金額だと思われる」
残りの10名は政治家であった。ただ全員が強力に海外の人間の流入を推進しビザの緩和や『不法滞在者』を『非正規滞在者』などと呼び、問題提起をする一般人を『排斥者』『ヘイト』と批判し、人道や人権を前に出して共存共栄を呼び掛ける超党派の代議士たちであった。
「彼らの半数以上は帰化人で鈴木翔と同じ国の出身です」
その意味。
島本蓮司も流石にヒタリと汗を浮かべた。
そして世名に視線を向けた。
「巨額な金の出処掴んだんだろ?」
世名は凛也を見た。
凛也は通帳と一覧を置いた。
「これがこの通帳の入金先の口座と振込先口座の情報一覧だ」
それは正に動画に映っていた面々の隠し口座の一覧であった。
同時に電話が入った。
真辺新一であった。




