全貌 10
天加は笑むと
「時間が惜しいので俺たち、先に行きます。ここからなら三嶋夜のマンションは近い」
と告げた。
世名は頷くと
「わかった、直ぐに追いかける」
というと走り出した。
天加と哲二は頷いて足を踏み出した。
三嶋夜のマンションは八丁堀にあるのだ。タクシーで8分ほどつまり3~4キロだ。
警察庁を出ると天加はタクシーを探した。
そこに一台の車が止まった。
「良かったらいかがですか?」
天加はその相手に目を見開いた。
「須藤朋美」
須藤朋美は天加の顔色を見て笑むと
「私が加藤忠司にSNSを通じてあのトリックを与えた唯の管理人じゃないと気付いていたみたいだねぇ」
と告げた。
哲二は思わず
「それ……」
と言いかけて天加に手で口をふさがれた。
天加は目を細めると
「貴方は頭が良くて用心深い人だ。SNSのアカウントの情報はでたらめの上にアクセスはミラーサイトを利用して分からなくしている」
と告げた。
須藤朋美は笑むと
「私はね、努力家なんだよ。君のような天才相手だと怖くて冷や冷やする。だから」
仲間にならない? と軽い口調で告げた。
「君が望むだけの金を用意しよう。もちろん、君が権威を必要するならその地位も用意する」
天加は目を細めると冷え冷えとした視線で須藤朋美を見下ろし口角を浮かべた。
哲二はそれにゾワリと背筋を凍らせた。
「こいつ、突然変わるよな」
須藤朋美はふっと笑うと愛しそうに見て
「いいねぇ、私は君のような人間が好きだよ。だけど、君は私が嫌いなようだ」
と告げた。
天加は不敵な笑みを浮かべると
「貴方は俺と同じ種の人間だ。その俺の目を覗いて何を考えているかを覗き込もうとしている」
と告げた。
「乗せて、もらいましょうか」
哲二は驚いて天加を見た。
「おい!」
天加は見下ろして
「貴方を監獄まで運転させてあげますよ」
と告げた。




