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捜査立会人 ~オブザーバー~  作者: 如月いさみ
捜査立会人 ~オブザーバー~

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全貌 11

 須藤朋美は表情を変えると直ぐにふっと笑みを浮かべ

「君を……誘おうとおもっていたけどね。それは無理なようだ。今の君は三嶋真昼の暗号を解いてアドバンテージを手に入れているからね」

 と言い、目を細めた天加の背後の警察庁から出てくる世名に視線を向け

「これを君にあげよう。これは君に」

 と言い天加に十六茶のペットボトルを渡し、哲二にいろはすを渡した。

「そしてこれは私」

 そう言って自ら残ったハト麦茶のペットボトルを手にすると

「毒は入っていないよ。東都銀行品川支店の私の貸金庫に面白いものがあるんだ。この謎が解けたら……君にあげよう」

 とカードを手渡し

「じゃあ、これ以上の滞在は良くないみたいだねぇ」

 サッサと今は退場しようか、と車を走らせた。


 哲二は慌てて

「おい!」

 と追いかけかけた。

 天加も足を踏み出しかけたが車はそのまま立ち去った。


 天加は息を吐き出し十六茶とカードキーを見つめると

「一体どういう」

 と呟いたが、カードキーをビニールに入れると走って駆け寄ってきた世名を見て

「須藤朋美がこれを」

 と差し出した。


「このカードに指紋が付いているので指紋の採取をお願いします」


 冷静に言われ世名は驚きながら

「わかった」

 と受け取りつつ

「だが、これは何のキーだ?」

 と聞いた。


 天加はさっぱりと

「東都銀行品川支店の須藤朋美の貸金庫のカードキーだと思います」

 と告げた。

「その中のモノをくれるそうです」


 その意味。


 世名は大きく息を吐き出すと

「……どういうつもりか分からねぇな」

 とボヤキ

「それで、行くのか?」

 と聞いた。


 天加は頷くと

「三嶋夜のマンションへ行ってから、戴きに行きます」

 と答え

「一応、羽田か成田の方の空港警察に須藤朋美が海外逃亡する可能性があることを知らせてください」

 と告げ、不意に

「あと、鉄道と、できれば首都高などに検問を」

 と付け加えた。


 世名は頷くと携帯で警視総監に連絡を入れ終えると

「じゃあ、マンションへ行くか」

 というと天加達を乗せて車を走らせた。


 三嶋夜のマンションに着くと天加は坂本蒼矢から預かった鍵で中に入り整理されている室内を見て机の上に置かれていた割れたタブレットを目にビニールの中にそれを入れて世名に渡した。

「これのルミノール反応をお願いします。可能性ですが指紋が浮かぶかもしれません」


 拭き取りの時に潰れてしまっている可能性もありますが、と付け加えて告げると

「では、東都銀行品川支店へ行きましょう」

 と鍵をかけて立ち去った。


 天加は須藤朋美が海外に逃亡することを確信していた。

「どこの空港か分からないが……日本を一旦離れるはずだ。けど」

 何かが頭を過ったが、カタチにならなかった。


 ただ、東都銀行品川支店で貸金庫の手続きを行っていても連絡はなかった。


 それどころか。


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