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捜査立会人 ~オブザーバー~  作者: 如月いさみ
捜査立会人 ~オブザーバー~

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全貌 3

 天加は冷静に

「この動画に映っている人と……ほら、録画日時。今は警察庁長官って止々呂美修也長官だったしこの動画が撮影されたのって5年前だろ」

 と坂本蒼矢を見た。

「これは三嶋さんが録画したんじゃなくて『親友』だと思う。三嶋さんも親友の人に託されて調べ始めてこの鈴木翔を取り巻く組織に殺されたんじゃないかと思う」

 

 誰もが息を飲み込んだ。

 否定できなかったからだ。


 天加は彼らを見つめ

「親友が殺されたという事で自身がこれを手に入れたとその組織に分かったら殺されると容易に予感できただろうし、もしかしたら自身の死が色々隠蔽されたりこの動画自体も奪われるかもしれないと思ったんじゃないかと」

 と坂本蒼矢を見つめ

「彼の予感は的中して……坂本警部の婚約者も……三嶋さんの妹さんもそれで殺されたんじゃないんですか?」

 と告げた。


 坂本蒼矢は目を見開き視線を伏せた。


 哲二は驚いて

「え!? 殺されたのは婚約者の兄だって」

 と告げた。


 天加は視線を伏せて

「坂本さんは『婚約者だった女性』と言ったんだ。もし彼女の事を愛してなかったら俺たちに話を振ってこないだろうから、彼女を今も愛している。だったら、彼女を過去で表現しない」

 と告げた。


 芹も啓達も理人も小さく息を吐き出した。

 坂本蒼矢は苦く笑むと

「そうだ。夜は……三嶋さんが亡くなって1年後に」

 と告げた。

「犯人はまだ捕まっていない。三嶋さんと全く同じで彼女の死亡推定時刻に怪しい人物は出入りをしていなかったしマンションの中でのトラブルもなかった。第三者の指紋も遺留品もなくて」


 全員が視線を下げた。


 坂本蒼矢は覚悟を決めると

「だが三嶋さんの意志はこの手に入った。先ず、俺は鈴木翔の背後関係を調べる。やつと取引のある会社や後援団体などをな」

 と告げた。


 芹は固唾を飲み込むと啓達と理人と顔を見合わせて

「じゃあ、私と啓達と財前でここに映っている人々で調べ切れていない人たちを調べましょ」

 と告げた。


 理人は頷き

「ああ、そうだな。凛也にも手伝わせる。あいつの家は情報屋だからな」

 と告げた。


 それに啓達と芹も頷いた。


 天加と哲二は顔を見合わせた。

 とにかく情報を集めるのに天加も哲二もコネがないのだ。


 つまり手持無沙汰という事だ。


 その時、インターフォンが鳴ると画面に桐谷世名の姿が写った。

「よ! 浅見から連絡があって駆け付けた。入れてくれねぇかな?」


 芹はクスッと笑うと

「どうぞ」

 と自動ドアを開けた。


 1分ほどで世名が姿を見せ状況を坂本蒼矢から聞くと

「なるほど、鈴木、翔か……」

 と呟き

「とにかく警察を動かすにも証拠や情報が集まらない事にはな」

 と告げた。

「蓮司の方には伝えておく。そうすりゃ、止々呂美長官も準備を始めるだろう」


 そう言って天加と哲二をみると

「二人は過去の事件だが……当時の捜査が正しかったか捜査立会をしてみるか?」

 とにやりと笑って告げた。


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