迷宮のダイイングメッセージ 7
天加は放置された携帯を指さし
「いや、普通はダイイングメッセージを打ったら被害者は犯人に見られないようにする。若しくは犯人がダイイングメッセージを見たら普通は消し去る」
と言い
「三嶋さんが携帯を握った状態の上にダイイングメッセージが分かる状態で発見されたって事は犯人が去ってから打ったってことだと思う。いや、この内容から殺される可能性を考えて万一のことを考えてこの文を先に用意していて呼び出した。その上でこの入力画面を出したんじゃないかと思う」
と告げた。
「こんな文章を死に際に打ったりはできない。だから、万一の時に用意していたんだ」
……それだけのモノを手に入れたという覚悟を三嶋真昼さんは持っていたに違いない……
天加は写真の携帯の画面を見つめ更に
「もしかしたら、そう言う意味なのかもしれない。ただ、この携帯の画面を開けたのは辛うじて意識があったからで……恐らく無くても解けるようにはなっていたんだ」
と呟いた。
坂本蒼矢も哲二も固唾を飲み込んだ。
天加は三嶋真昼の手の携帯を指さし
「彼がこのテンキーを出したのは業とだと思います。英字入力画面という事は最初の872は英字なのだと思います。『わ』から後は恐らく日本語……つまり『わ』は和文の意味」
と告げた。
「矢印はテンキーのフリックの方向だと思います」
哲二はハッとすると
「つまり8は『TUV』のキーで左端からと仮定して左にフリックしたらUか!」
と叫んだ。
天加は頷いた。
更に携帯を出すとメモアプリを立ち上げて
「右回りか左回りかを試せばきっと言葉になる」
と言い右回りを入れ、左回りも入れた。
瞬間に息を飲み込んだ。
「USBわあなふき……『わ』は和と『は』の二つの意味があったんだ」
坂本蒼矢は驚きながら
「穴吹芹……彼女にUSBを託したって事か」
と婚約者と笑顔で話している女性を指さした。
「彼女は財前君と同じ捜査立会人だ。国分や府中の周辺を担当している」
天加は頷いて
「もしかしたら穴吹芹さん自身にも分からないようにUSBを隠したのかもしれない。もしそうなら気付いていない可能性がある」
と告げた。
そして立ち上がると
「確認に行きましょう」
と告げた。
坂本蒼矢は頷くと
「わかった」
と答え
「財前と序でにもう一人の捜査立会人にも知らせるが良いか? やつも捜査立会人で塾生だしもう一人も同じだ。全員、三嶋さんとも知らぬ仲じゃないからな」
と告げた。
天加は頷いた。
離れた場所で紅茶とハンバーガーを食べていた友視と浅見慎二に天加は声を掛けた。




