迷宮のダイイングメッセージ 6
坂本蒼矢は写真を消してメールを見せ
「こいつはブラコンなところがあってな。両親が殺されて……二人きりで生きてきたから三嶋さんの死の真相を知ろうと必死だった」
と呟いて苦い笑みを見せた。
その気持ちは天加には良くわかった。
自分も肉親は兄の翔と二人きりだ。
特別な気持ちがある。
もちろん、12歳から育ててくれた両親にも特別な思いがある。
だが、もし今の両親がいなかったら……兄への思いは今よりももっと依存性の強いものになっていたかも知れない。
天加は視線をさげて
「俺は坂本さんの婚約者の方の気持ちわかりますよ」
と小さく呟き、顔を上げると
「俺が考えてみます」
と答え文面を呟いた。
「872わ1562……ですよね。周囲の矢印や点にも意味があるに違い。それはわかる」
哲二はフムフムと聞きながら
「と言われてもなぁ……日本語に直すにしても、はなにわいごむに……って言葉になってねぇな。わからん」
と心で突っ込んだ。
「手掛かりも何もねぇんだからなぁ」
天加は少し考え事件調書を捲り三嶋真昼の遺体の状況を見て目を細めると一か所を指さした。
「まさか、これが……彼の残した手掛かりなんじゃ」
坂本蒼矢は「ん?」と腰を浮かした。
哲二は首を傾げ
「え? これってさ、三嶋真昼がダイイングメッセージを打ち終えて力尽きただけだろ?」
と告げた。




