迷宮のダイイングメッセージ 3
天加は笑むと
「悪い、ありがとうな」
と答えた。
哲二もまた
「この埋め合わせは俺と天埜でするからな」
と告げた。
天加は「ん?」と哲二をみた。
「的場探偵も来るのか?」
哲二は目を細めながら笑むと
「いやいや、いま俺、付き合うって言っただろ? それって当然だろ?」
と答えた。
三人は結局すぐにプールから上がるとその足で浅見慎二が待っていたラージバーガーへと向かった。
そこには浅見慎二と共に天加と哲二が知っている刑事が待っていた。
刑事は一礼深く頭を下げると
「夏休みのプールで遊んでいる最中に悪いな」
と言い、一緒にやってきた花畑友視を見ると
「警視庁刑事部捜査一課の坂本蒼矢だ。しかし、探偵三人でプールか」
と告げた。
天加は友視と哲二をみて
「あ、いや。今日は大学の友達で集まったって感じで的場探偵は探偵ですが」
と言い
「花畑は探偵じゃないです。彼は花畑友視で俺が立会人をする前に事件を良く突っ込んできていた親友です」
と紹介をした。
友視は困ったように笑むと
「あー、そうなんです。俺は推理とか~探偵とか全然ダメなので……外で待ってます」
と告げた。
「後で声かけてくれ、天加」
哲二は胸を張って
「俺は探偵だから立ち会わせてもらう」
と告げた。
「邪魔はしない、かもしれない」
浅見慎二は坂本蒼矢に目を向けて
「じゃあ、私は花畑君と席を外しますよ」
と言い、友視を見ると
「外でなくて向こうで座っていようか」
と立ち上がった。
気遣いである。
友視は頷いて、浅見慎二と共に立ち去った。
坂本蒼矢はスタッフを呼んでそれぞれがオーダーを通すと
「では、話をさせていただく」
とスタッフが立ち去った後に告げた。
天加は先日の雰囲気とは違った緊張した様子に固唾を飲み込んで坂本蒼矢の言葉を待った。哲二も「こりゃ、何かあるな」と思いながら沈黙を守った。
坂本蒼矢は天加を見つめ
「この依頼は俺個人のものだ」
と言い
「俺の婚約者だった女性の兄が何者かに殺された。3年前の話だが犯人は捕まっていない」
と告げて携帯と事件調書を置いた。
「彼はダイイングメッセージを残している」
……だがこの暗号を俺は解けなかったし、他の警察の人間も解けなかった。それを解いてもらいたい……
天加は目を見開き
「え!? あん、暗号ですか……」
と紙を手にして
「その、解けない可能性大ですが良いですか?」
と告げた。
哲二は隣に座り
「天埜、お前。仕事中と全然雰囲気違うな」
と小突いた。
「現場では俺さまの推理絶対感強いのに」
天加はう~んと悩みながら
「えぇ? そんな事ないけどなぁ」
とぼやいた。
「ただ、自分が決めた仕事だし絶対に間違えちゃいけないって気持ちは強いけど」
哲二はそれに
「んじゃ、仕事のつもりでやれ」
と告げた。
「この人、本気だぜ」
坂本蒼矢は驚いて哲二を見た。




